前回に続き、ここではスマートフォンからの乗り換え組を中心に「HTC EVO WiMAX ISW11HT」活用のコツを紹介する。基本的な設定や操作性を整えたところで、今回は独自の機能や特徴的なアプリを挙げていこう。

「HTC EVO WiMAX ISW11HT」は画面が広く表面パネルのグレアが強いので、手鏡としても密かに高性能。アイメイクは難しいが、リップグロスや前髪を直す際には問題なく使える

テザリング機能は最大限活用すべし

さて、何をおいてもHTC EVO WiMAXで最も注目されているのがこのテザリング機能。ごく簡単に言えば、HTC EVO WiMAXをポータブル無線LANルーターにするというもの。HTC EVO WiMAXのWiMAXと3G、自宅のLAN回線などを使って、ノートPCや携帯型ゲームなどの無線LAN対応機器をインターネット接続できる。

HTC EVO WiMAXのWiMAX回線に接続すれば、エリア内であればどこでも下り最大40Mbps/上り最大10Mbpsという高速通信が利用できる。専用の端末や別回線の契約も必要ない。

「Wi-Fiテザリング」の設定画面。チェックボックスをONにするとテザリングを開始する

セキュリティのレベルはこの中で「WPA2(AES)」が最も高い。パスワードは任意のものに書き換えて使おう

接続可能な端末は最大8台。設定画面の「ユーザーを管理」から「最大接続数」で設定可能だ

ノートPCから利用する場合は、上記で設定したルーター名を探して「接続」をクリックし、パスワードを入力する

いかにもバッテリーを消耗しそうな機能だが、連続使用を試してみたところ、満充電から充電アラート(残15%以下)が表示されるまで約5時間強という結果となった。出かけ先でのブラウジングや多少のドキュメント送受信程度なら、致命的な消耗はしないだろう。一方、同じくノートPCで動画(YouTube)を見続けた場合は満充電から約30分で残量80%程度まで低下した。長時間の作業や大量のデータ送受信を行う場合は、充電ケーブルまたは予備バッテリーを確保したほうが安心だ。

ノートPC1台からHootSuiteで10分ごとにTwitterにアクセスする条件で、約5時間強の連続使用が可能だった

利用料金は、WiMAXを利用した月に「+WiMAX月額利用料」525円がかかる形となっている。これは通常のパケット代とは別にWiMAXの利用料として、利用回数等に関わらず発生するものだ。WiMAXを利用しなかった月には請求されないのだが、これに乗り換える人ならきっとバッテリー限界まで使い倒すくらいの考えをお持ちのことだろう。

ホーム画面を好きなだけカスタマイズ

Androidは操作のベースとなるホーム画面が機種によって様々に異なり、HTC EVO WiMAXのホームアプリである『HTC Sense』も同社独自のもの。基本的に6つの画面を使用することができ、切り替えはスライドやピンチアウトで行う。デフォルトではメイン画面に特徴的な時計ウィジェットがあり、他の画面には連絡先・カレンダー・ブックマーク等が配置されているが、これらは自由に移動・削除したり、任意のアプリアイコンやウィジェットを追加することが可能だ。

ホームの「+」ボタンから「アプリケーション」を開いてアプリを選択してホーム画面に配置。または、アプリ一覧画面でアイコンを長押しすると配置できる。ホームから削除するときはアイコン(またはウィジェット)を長押ししたまま「削除」までドラッグ

ウィジェットとはホーム画面に常駐させるコンパクトなアプリで、時計やToDoなどの常に表示を確認したいもの、またTwitterや音楽再生など利用頻度の高いものを配置しておくと、アプリを起動させる手間なく即座にアクセスできて便利だ。

ウィジェットはホームの「+」ボタンから「ウィジェット」を開いて追加

表示内容や色・サイズ等を選んだりカスタマイズできるアプリもある。画像はToDo管理アプリ『GTasks』

「ショートカットを追加」では、アプリの特定の機能をホームに配置できる。例えばGmailのラベルを配置すれば、ホーム画面から直接そのラベルのボックスを開ける

また、このホーム画面には利用目的に合わせていくつかのプリセットを保存しておける「シーン」機能がある。ビジネスやプライベート、旅行用など、利用シーンや目的に合わせて最適なアイテムをセットアップしておけば、使いたい時に必要なアプリや欲しい情報へのアクセスが効率よく行える。壁紙が変わるだけでも気分転換になってなかなか良い感じだ。

ビジネス用にはドキュメントビューワやToDo管理などを配置

オフタイムにはSNSや写真、音楽・動画・ゲームなどを配置

旅行用には地図や旅行ガイドを。写真・ライフログ系も活用したい。海外ローミングに非対応なのが惜しいところ

ソーシャルサービスをもっとスマートに

今時、多くの人がTwitterやFacebook、mixiなど複数のSNSを利用しているものと思われるが、auのスマートフォンにプリインストールされているアプリ『jibe』を使えば、これらのSNSを統合して管理することができる。複数のSNSも、これひとつで自分のアカウントに関わるメッセージを一元管理することが可能だ。また、1回の投稿で複数のサービスへポストすることも可能だ。

複数のSNSのアカウントを管理。タイムラインでは各サービスを横断して閲覧できる

Twitterへの投稿をEvernoteにも同時に保存できるから、ライフログも手軽だ

PicasaのWebアルバムも閲覧可能。ここからSNSへ画像を投稿することも

「トレンド」では、ニュースやアプリ、音楽など話題の最新情報をチェック

これ以外にも、個別のサービス向けに多数のアプリが提供されている。頻繁に利用するものについては、ウィジェットの形でホームに配置しておくのと便利だろう。

高画質を一人占めしない、外部出力

HTC EVO WiMAXにはHDMI出力端子が搭載されている。液晶テレビ等に接続すれば、本体またはmicroSDカードに保存された写真や動画、およびYouTube等の動画アプリで再生する動画を大画面で楽しむことができる。HTC EVO WiMAX側の設定は特に必要なく、出力先の機器とケーブルで接続しておくだけで、スライドショーや動画が開始されると自動的に出力される。なお、その他のアプリやゲームなどの出力には対応していない。

高解像度で撮影した写真を美しく表示。保存された画像で即スライドショーが可能だ

「HDMIマイクロプラグ(タイプD)」のケーブルが必要。購入の際はコネクタの形状をよく確認しよう

ユーザー主導で普及するAndroidの電子書籍

昨年、出版社や印刷会社などの本格参入が相次いだ電子書籍市場だが、Android対応の電子書籍ストア・アプリはまだあまり多くない。徐々に対応が進んでいるようなので、今後に期待したい。一方で、個人ユーザーが簡単に電子書籍を配信できることで注目されたのが『Androbook』というサービスだ。JPEGやPDFファイルを元に電子書籍を作成するツールがWeb上で提供されており、作成した電子書籍はAndroidマーケットで配信することができる。有料配信も可能だ。

「主婦の友社」や「BookLive」など、一部のサービスが利用可能。Android対応のストアでも同機種ではまだ利用できないものもある

Webページ上で手軽に電子書籍を作成し、マーケットで配布できる『Androbook』。専用ビューワの「Androbook Viewer」は無料で提供されている

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様々な方向からHTC EVO WiMAXの特徴をご覧頂いたが、あとは様々なアプリをどんどんダウンロードして自分色に染め上げていこう。WiMAXを使用すれば、サービス圏内ならいつでもどこにいても気になるアプリを速攻でダウンロードできるのだ。その意味では、HTC EVO WiMAXは国内スマートフォン史上で最もスマートフォンの特徴を活かせる端末だと言えるだろう。

オマケ。iPhoneアプリ版ではリリースされていない「マクドナルドの公式アプリ」。クーポンや新商品情報、GPS対応の店舗検索などが利用できる