Q:今、FreescaleはFlexisという形で8bit/32bitのMigration Pathを提供していますが、32bitパートはColdFireのみです。最近のトレンドは、様々な8/16bit MCUがARMアーキテクチャに移行しつつあるというものですが、こうしたトレンドにCortex-M0は丁度Fitしています。性能や消費電力、ダイサイズなどの観点で、Cortex-M0は従来の8bit MCUとほぼ同等まで来ています
確かにそういうトレンドはあり、多くのユーザーがそうした選択をしている。我々はこうしたスムーズな移行にColdFireを提供している。競合メーカーも似たような形の製品展開をしている。繰り返しになるがマイグレーションは、例えばFlexisを例に取ると、これは32bitであるが、(8bitと)同じ開発ツールを使って開発を行うことが出来る。そしてTower Systemを使って8bit→32bitでのプロトタイピングなども可能だ。
Q:次の質問です。Freescaleは世界で最初にCortex-M4ベースの製品を発表しましたが、NXPも既にCortex-M4ベースのMCUを発表していますし、STMicroelectronicsもアナウンスを行いました。その他の多くのCortex-M3 MCUを発表しているベンダはまだアナウンスをしてはいませんが、これまでの経緯をみれば、じきにCortex-M4ベースの製品を発表すると予想されます。こうした、後発のCortex-M4搭載MCUとどう差別化して行きますか? あるいは、どう戦って行くのでしょう?
答えは2つある。まず既存のCortex-M3を発表しているベンダだが、Cortex-M3とCortex-M4では動作電圧もプロセステクノロジーも異なり、周辺回路も異なる。結果として互換性に関する議論も異なってくる。この2つは全く異なるプラットフォームと考えるべきだ。FreescaleはCortex-M4でローエンドからハイエンドまで、完全にソフトウェアとハードウェア互換でスケーラビリティのあるプラットフォームを提供する。
次に差別化としてのソフトウェアプラットフォームだ。我々は、競合メーカーが提供できない完璧なソフトウェアポートフォリオを提供する。差別化のキーとなるのはOSだ。我々のMQXはKinetisとColdFireにバンドルして提供される。これにはUSB StackやEthernet Stackなども含まれる。MQXを使ってプロトタイプを作成するときに、必要となる全てのミドルウェアがここに含まれる。アナログ統合に関しては、似たものを競合メーカーも提供しているが、精度とパフォーマンスの観点でアドバンテージがあると考えている。プログラマブルゲインアンプとかオペアンプ/トライアンプなどがこれにあたるが、我々は真のMixed Signal MCUを提供している。(競合メーカーの)他の製品はPure Digital MCUに若干のアナログ回路を追加しているだけだ。
Q:なるほど。では次の世代というのはどういう方向になるのでしょう? より高い性能を求める方向に行くのか、あるいはよりアナログなどの機能をリッチにするのか、あるいは例えばアクセラレータのような新機能を搭載する方向になるのか
将来製品について明確なコメントをすることはできないのだが、一般的な方向性としてはLow PowerとHigh Performanceだ。まずHigh Performanceについては、より大容量のFlashとより高いProcessor Performanceの方向に行くだろう。逆にローエンドマーケットでは、現在よりも更にEnergy Efficiencyが重視されるだろう。
我々のTFS Flashは通常のFlashよりも高性能で、これは最終的に消費電力を抑える方向につながる。そういう意味で、2つの方向性に分かれるだろう。より高性能で多機能を統合する方向と、より低消費電力な方向だ。こうしたマーケットでは、消費電力が主要な設計目標となる。
Q:その次世代製品は、引き続き90nmプロセスを使うことになるのでしょうか? あるいは、より微細化したProcessになるのでしょうか?
我々は常にProcess Technology Roadmapを注視している。ただ現時点に関しては90nmのTFS Flashが非常に良いと考えている。これは5年掛けて開発したプロセスだ。その先に関しては、現時点ではノーコメントだ。