NHKのお笑い番組「爆笑オンエアバトル」に16回挑戦し、すべてオンエア。2010年、惜しまれつつも、幕を閉じたお笑いバトル「M-1」においても決勝経験者の中で唯一、予選敗退を一度も経験していないお笑いコンビ・アメリカザリガニ。そのボケを務めている平井善之は、「漫才もクリエイションの一環だ」と語る。芸人、平井善之に話を聞いた。

アメリカザリガニ 平井善之

――まず、現在の活動について教えて下さい。

アメリカザリガニ 平井善之(以下、平井)「主にテレビやインターネット番組、ライブを中心に活動しています。最近、『アメリカザリガニVS60分漫才!!』(毎日放送)という60分を超える漫才にも挑戦させてもらいました」

――普段、ネタはどのように作っているのですか。

平井「ファミレスに行って、相方の柳原哲也とひらすら色々話合うだけですよ(笑)。事前に何か考えていくということもありませんね。その場でネタを考えて、そのまま舞台に持っていくイメージです。漫才という形になったのは、たまたま僕らが一番作りやすかったからでしょうね。60分を超えるネタを作ったときは、さすがに1日で完成というわけにはいきませんでしたけど。もっと簡単作れるかなと思ったのですが、凄く大変でしたね」

――構成作家も交えてネタを考える芸人さんもいますが、そういったやり方では一切ないということですよね。

平井「基本的にネタ作りに構成作家が入ったことはないですね。僕らには、そういった構成作家さんはいないので、常に自分たちだけでネタを考えています」

――60分漫才というのは、芸人アメリカザリガニにとって新たな挑戦だったと思うのですが、これから先何か挑戦したいことはありますか?

平井「とりあえず、もう60分漫才はやめようって(笑)。これからは、色々な人とコラボレーションしつつ、じっくり作り込んだネタをやってみたいですね」

――ほかのお笑い芸人とコラボレーションするという意味ですか?

平井「そうですね。スタイルは、僕らふたりに誰か加わってもらって3人トリオとしてネタをやってもいいですし、僕の代わりに相方の柳原とふたりで漫才をやってもらってもいいですね。あとは笑福亭鶴瓶さんや笑福亭鶴光さんといった普段漫才をやらない落語家さんたちと漫才を一緒にやってみたいです。お笑いに限らずということであれば、色々なモノを作っていきたいですね。イラストでも映像でも。なんでもいいんです。とにかくモノ作りがしたいです」

――平井さんはdocomo携帯専用動画配信サイト「BeeTV」でフラッシュアニメ「赤ちゃん(56)語録」を公開していたり、テレビ東京の映像コンテスト「世界卓球CMアワード」において奨励賞を受賞していたりとクリエイターとしての一面ももっていますよね。

平井「お笑い芸人って、"これとこれを足したら面白くない?"とかを常に考えていますからね。それってモノ作りと一緒だと思うんですよ。だからお笑い芸人って根本的にモノ作りが得意なんだと思うんです。例えば、お笑いトリオの東京03豊本明長くんなんかも自分のライブのオープニング映像を手がけていますからね。いわゆる"クリエイター"と呼ばれる方々と違うのは、発表の仕方がイラストなのか漫才なのかというアウトプットの仕方でしかないと思うんです」



そんなクリエイターとしての一面も持つアメリカザリガニ平井善之は、自身のクリエイションにペンタブレット「Intuos4」が欠かせないという。次回、インタビュー後編では、クリエイター・平井善之に迫る!!

撮影:波多野匠