ソフトバンクモバイルは18日、同社の携帯電話における「緊急地震速報」機能の対応に関して、今後発売する機種では同機能に対応していくと発表した。既存のスマートフォンでもソフトウェアアップデートで対応していく。

緊急地震速報は、気象庁が地震発生時に震源や地震の規模を推定して、各地での揺れの時間や震度を予測するシステムで、これを携帯電話向けに特別に知らせるための機能が「緊急地震速報」機能だ。通常の通話や通信とは異なる仕組みを使っているため、遅延なく、帯域を圧迫せずに対応端末に一斉に速報を配信できる。

ほかの携帯事業者では従来の携帯電話(フィーチャーフォン)と一部のスマートフォンでこれに対応していたが、ソフトバンクの端末では「SoftBank 831N」のみがこの機能に対応しており、東日本大震災の発生を契機にソフトバンクに対する要望が強くなっていた。同社では今回、2011年度上期(4~9月)に発売するフィーチャーフォンとスマートフォンについて、一部機種を除いてすべてに「緊急地震速報」機能を搭載。下期(10~3月)以降に発売するすべての機種に同機能を搭載していく予定だということを発表した。

さらに既存のスマートフォンである「DELL Streak 001DL」「GALAPAGOS 003SH」「GALAPAGOS 005SH」「HTC Desire X06HT」「HTC Desire X06HTⅡ」「HTC Desire HD 001HT」「Libero 003Z」の7機種について、ソフトウェアアップデートを行い、同機能を順次提供していく。

同社が発売しているiPhoneに関しては「緊急地震速報」機能の対応は行われないため、iPhone用アプリ「ゆれくるコール for iPhone」(アールシーンソリューション)に対して、サーバー増強などの支援を行い、通知速度の向上をサポートする。また、アールシーンソリューションは「ゆれくるコール for Android」アプリを近日公開予定で、こちらもソフトバンクが支援する。ただし、ゆれくるコールはパケット通信を使って気象庁の速報を通知する仕組みのため、本来の携帯電話向け緊急地震速報機能に比べると遅延などが発生する可能性はある。

なお、将来のiPhoneに関しては「特定の機種については答えられない」(ソフトバンク広報)としている。

緊急地震速報機能では、NTTドコモやKDDIのフィーチャーフォンは対応済みで、KDDIの一部スマートフォンでは同機能に対応している。ドコモでは既存スマートフォンのアップデートで対応できるかどうか検討しており、今後の機種に関しても「対応していくことを検討している」(ドコモ広報)段階。いずれ、対応を公表する計画だという。KDDIでは「今後の機種は一部非対応になるかもしれないが、海外製端末も含めて対応することを検討中」(KDDI広報)だとしている。