非常食に「乾パン」を用意している場合じゃない!

東北地方太平洋沖地震により被害を受けられました皆さまには、心よりお見舞い申し上げます。

今回の大地震とそれに伴う津波の被害は、震災の恐ろしさをあらためて私たちに思い起こさせました。災害の驚異を目の当たりにすると、災害時の備えの重要性を実感します。やはり「備えあれば憂いなし」です。

そこで、今回は、災害時の備えのひとつである「非常食」を取り上げます。今どきの非常食で注目すべき点は、そのおいしさ。「非常食」と聞くと、「生きるために必要なものだから、味について四の五の言っている場合じゃない」と思いがちですが、今どきの非常食は違います。ご飯はふっくら、やわらかく、味のバリエーションも豊富。非常時にはもちろんのこと、それ以外でも使い回せる1食になっています。登山やキャンプなどのアウトドアレジャー、海外旅行などでも活躍するはずです。

サタケのお湯を注ぐだけですぐできる「マジックライス」

サタケの創業は1896(明治29年)。日本で最初に動力精米機を開発した同社は、創業以来、1世紀以上にわたり、精米機のトップメーカーとして研究開発を重ねてきました。お米のことを知り尽くした同社ならではの技術から開発されたのが「マジックライス」。これは米に水を含ませて加熱し、でんぷん組織をやわらかく変化させた後に、急速乾燥させたもので、一般に「アルファ米」と呼ばれています。

マジックライスは、お湯を注ぐだけで炊きたてのようなふっくらとしたご飯が出来上がります。「ガスも電気も使えなくて、お湯を沸かせない! 」というときでも、ご安心を。水さえあれば、ふっくらとまではいかなくても"やわらかい"ご飯になります。

味のバリエも豊富です。「白飯」をはじめ「五目ご飯」「山菜おこわ」「大豆ひじきご飯」「お赤飯」といった和風の定番ご飯は、ご飯好きにはうれしい品揃え。また「しそわかめご飯」や「ちらし寿司」など非常食とは思えないプチリッチご飯もあります。どの商品も具だくさんなのが魅力的。

「こだわりお茶漬け」シリーズもオススメ。鰻と鮭の2種類があり、どちらも生タイプの具材を使用し、本格的なお茶漬けを堪能することができます。鰻のお茶漬けは、名古屋名物の「ひつまぶし」をほうふつとさせる一品です。

洋食派にうれしいのがパスタ。クリーミーなソースに黒こしょうがきいた「カルボナーラ」、完熟トマト風味の「ナポリタン」、唐辛子とガーリックオイルの風味が絶妙の「ぺペロンチーノ」など、どれも味はもちろん、こだわりのショートパスタを使用しているので、伸びにくく、アルデンテの食感です。

JAXAから宇宙食の認定を受けた尾西食品のおいしい非常食

尾西食品の非常用ご飯シリーズも、全12種類と充実のラインナップ。アルファ米を使用した同社の商品が徹底的にこだわっているのが"おいしさ"。阪神淡路大震災を契機に、アルファ米の需要が高まりましたが「今から10年くらい前のアルファ米は、炊いたご飯とはほど遠い食感でした」とのこと。それを、炊きたてのご飯に近づける研究開発を行なった結果、誕生したのが現在の商品。原料となるに米はあきたこまちの一等米を使用し、そのおいしさは、アルファ米を携帯用食料としている登山家の間でも定評があります。

国産もち米をだけを使用した「赤飯」、食べごたえのある山菜入りの「山菜おこわ」、5種類の具材が入ったもちもちの「炊込みおこわ」、ターメリックやクミンなど十数種類の香辛料を加えた「ドライカレー」、トマトの酸味とコーンの甘味がアクセントの「チキンライス」、バターとコンソメ味のご飯がおいしい「えびピラフ」など。アルファ米を使った「おにぎりシリーズ」には梅しそ、鮭、明太子の3種類があり、保証期間は1年。海外旅行のお供にも最適です。

同社の商品は、2007年、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から「宇宙日本食」としての認定を受けました。

もうひとつ注目したいのが、パンシリーズ。手が汚れていても、パンに直接触れずに取り出せる紙筒容器入りなのが便利です。保証期間は3年と長期間なのに、パン本来のやわらかさをキープしている点も優秀。

ホリカフーズの1食パック非常食は、大手外食チェーン店級の満足度

ホリカフーズの非常食も秀逸。発熱セット付きで、ホカホカ&アツアツのご飯が出来上がります。水も火も使わずに1食分が完成し、ご飯の容器がトレーになっているので、具をかけてそのまま食べられます。レンゲと紙ナプキンが付いているのも、うれしい心遣い。これはもう、非常食というより立派な献立です。

「牛丼」は牛肉の旨み、玉ねぎの自然の甘さ、コクのある甘じょっぱいタレが絶品。大手牛丼チェーン店も顔負けのおいしさです。「中華丼」は野菜たっぷりの具だくさん。「麻婆丼」は豆板醤がピリッと効いた本格的な味に仕上がっています。

世の中の非常食は進化しています。災害時に、せめておいしいご飯が食べられたら、どんなに救われる気持ちになるかわかりません。現在は、震災の影響で品薄状態が続いていますが、ひと段落したら、ぜひ"おいしい非常食"を備えてください。

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