これまでにも何度も本連載ではボーカロイドを始めとする合成音声を用いた動画をご紹介してきましたが、実はまだ取り上げたことのないキャラクターがいます。それが「Mac音ナナ」(マクネナナ)です。

こんにちは。一日3時間をニコニコ動画に費やすダメ社会人、山田井ユウキです。

今日もさっそく最近流行の動画や埋もれている良動画を独断と偏見で皆さんに紹介していこうと思います。選ぶ基準はただ一つ、僕の趣味です!

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これまでにも何度も本連載ではボーカロイドを始めとする合成音声を用いた動画をご紹介してきましたが、実はまだ取り上げたことのないキャラクターがいます。

それが「Mac音ナナ」(マクネナナ)。

2009年3月、Mac専門誌『Mac Fan』の連載「天声姫語」から誕生した音声素材集であり、現在ニコニコ動画でタグ検索すると実に700件以上の動画がヒットする知る人ぞ知る人気ジャンルなのです。

さて、詳しく解説する前にまずは動画をご覧ください。

こちらは、バンダイナムコゲームスの人気パズルゲーム「ことばのパズル もじぴったん」の楽曲「じゅもんをあげるよ」をMac音ナナでカバーした動画です。この声の主、いわゆる"中の人"の正体は、声優の池澤春菜。『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』(星馬豪)や『ケロロ軍曹』(西澤桃華)などの代表作を見れば、なるほどMac音ナナが持つ可愛さと元気さも納得がいくというものです。

また同作者から、アイドルマスターの楽曲「魔法をかけて!」のカバー動画も投稿されていますが、こちらは先ほどとは一転して大人びた声で調整されており、Mac音ナナの持つポテンシャルの凄さがよくわかります。……いやもちろんこれは作者の「ハロP」の並外れた技術力があってこそではあるのですが。

ボーカロイドのカバー曲も投稿されています。こちらは400万再生を誇る巡音ルカの代表作「ダブルラリアット」のMac音ナナカバー。調律のレベルが非常に高く、特に高音の伸びは圧巻の一言です。

カバー曲だけでなく、オリジナル曲も投稿されています。「一本勝負P」による楽曲で、先ほどまでとはまた違った雰囲気が新鮮です。

『Mac Fan』にも掲載された池澤春菜オススメのMac音ナナオリジナル曲。曲だけでなく独特のイラストとPVがまた良い味を出していますね。ちなみにMac音ナナにはMac音ココやMac音パパといった「Mac音家」と呼ばれる家族(?)がいるようで、今後も増えていく予定とのことです。

ということで、そのMac音ココとナナをデュエットさせた動画もあわせてご紹介。軽やかでポップなサウンドがタイトルの「Mac-ne Caffe」にぴったり合っている癒し系ソングです。こうして聞くと当たり前ですがはっきり違いがわかりますね。なおMac音ココの中の人は声優の井上喜久子です。

こちらも同じくMacFanで紹介されたMac音ナナオリジナル曲。作者の「BBれもん」にとってこの動画がMac音曲制作の出発点になったのだとか。

以前、本連載でもご紹介した「UTAU」の音源「デフォ子」を用いた楽曲のMac音ナナカバー曲。ちょっとややこしいのですが、要するにUTAUという歌声合成ツールの別の音声ライブラリを使っているわけですね。こうした楽曲には「UTAU→UTAUカバー曲」というタグが付けられています。

そんなこんなで知名度を上げたMac音ナナ。3DPV作成ツール「MikuMikuDance」(通称MMD)を用いた3Dモデルも作成されるなど、ニコニコ動画では初音ミクや重音テトのような合成音声キャラクターとしてのポジションを確立したといっていいでしょう。

ということで最後にオマケとしてご紹介するのは、そんなMac音ナナの中の人、池澤春菜が自らカバーしたUTAUオリジナル曲の「耳のあるロボットの唄」。もとはUTAUキャラ重音テトの楽曲として知られる人気曲ですが、実はMac音ナナが誕生して最初に歌った歌でもあるのだとか。中の人もノリノリですし、今後のMac音ナナの新展開にも注目したいですね。

勝手エヴァンジェリスト・山田井ユウキ

1980年生まれ。レビューサイト「カフェオレ・ライター」で、映画、漫画、ゲームなどを独自視点からレビューする他、「builder by ZDNet Japan」「ハリウッドチャンネル」など各種媒体で記事を連載中。どんなに忙しくても一日数時間ニコニコ動画に費やすという、社会人としてあるまじき生活を謳歌中。好きな動画ジャンルはゲーム実況、ボカロ、他エンタメ系全般。

(タイトルイラスト:3P3P) ※本コラムで紹介している動画は、作者やサイトなどの都合により削除されることもあります。あらかじめご了承ください。