今年、創業35周年を迎えるポール ピコ。これを機に、旧人気モデルのリファイン復刻やラインナップ拡充が発表された。
「テクニカム」は、1993年に発売されたポール ピコを代表するフラッグシップモデル。世界で数々の名誉ある賞を受賞し、スイスのラ・ショード・フォン国際時計博物館にも永久展示されている。この「テクニカム」が、今回「テクニカム1872」として生まれ変わった。現在、すでに手配が困難になりつつある"手巻きムーブメントかつスプリットセコンドを搭載した本格的クロノグラフ"という仕様を真摯に守りつつ、最新製品として各所がアップデートされている。
ムーブメントは「レマニア1872」に刷新。キャリバーをブルーPVD処理することでステンレスパーツの摩擦を軽減、摩耗を防ぎ、クロノグラフの使用感も向上させた。「テクニカム1872」の「1872」は、このキャリバー番号に由来する。
ダイヤルのデザインは、よりモダンに。ブルーのタキメーターが刻まれたクラシカルなホワイトダイヤルと、スポーティーなイメージのブラックダイヤルから選ぶことができる。ただ、双方ともに魅力的で、どちらを選ぶかは悩ましいところだ。ケース材質は18KピンクゴールドとSSの2バージョンで、ケース径は42mmとやや大きく(旧モデルは40mm)なっている。ストラップはレザー。
価格は18Kピンクゴールドケースのモデルが147万円、SSケースモデルが49万3,500円で、今秋の発売を予定している。
「アトリエ 42 スレート」は、2010年に発表されて好評を博したレディースモデル。ダイヤルには最新の技術で加工した天然の粘板石(スレートストーン)。大きな石からダイヤルのサイズにカットしていき、最終的に石全体のわずか1.5%だけがダイヤルになるという。輝くインデックスとのコントラストが美しい。
昨年リリースされたモデルはピンクゴールドケースだったが、今年はSSケースモデルがラインナップに加わった。ケースサイズは42mm×10mm。5気圧防水。ストラップはアリゲーター。ムーブメントは「ETA2892-A2」を使用。価格は74万2,500円(税込)、50本限定で今秋発売予定。
今回のバーゼル発表モデルの中でもひときわシンプルなデザインで目を引くのが「ファーシャー ウルトラスリム マニュアル」だ。「ファーシャー」は時計製作技術発祥の地、スイス・ジュラ地方の針葉樹の森の名にちなんでおり、ポール ピコを代表するシリーズとなっている。ちなみに、ポール ピコはジュラ地方のル・ヌアルモンで創業している。
ムーブメントは手巻き式のキャリバー「Peseux7001」。ダイヤルはローマンインデックスのホワイト、アラビアインデックスのブラック、アップライトインデックスではサンレイ・ブルーとオパリン・シルバーの、計4バリエーション。6時位置のスモールセコンドがスマートなアクセントとして、デザインの気品をいっそう増している。上品なヘアライン仕上げが施されたケースは、サイズも40mmとほどよい大きさ。また、ケース厚は6mmときわめて薄く、装着感も心地よい。
価格はSSストラップ仕様が19万9,500円、アリゲーターストラップ仕様が24万1,500円。今秋発売予定。
36mmのコンパクトなクロノグラフ「ミニクロン」もまた、35周年を記念してリファインされ、生まれ変わった新作だ。旧「ミニクロン」は10年以上前に発売されたモデル。ユニセックスサイズとカラーダイヤルで女性にも非常に人気があったが、すでに販売終了となっていた。
新生「ミニクロン」は、フォルムとイメージをそのままに、ダイヤルカラーとインデックスデザインを刷新。ブラックダイヤルとホワイトダイヤル、白蝶貝のダイヤルに、ベゼルへのダイヤセットの有無に加え、SSブレスのカラー、アリゲーターストラップなどの組み合わせで、計14モデルものバリエーションを展開する。ただし、日本ではSSブレス中心の展開となる予定だ。
価格はバリエーションによって異なるが、ブラックダイヤル+SSブレスモデルの場合は43万500円、白蝶貝ダイヤル+SSブレスモデルは45万1,500円。