Adobe Digital Publishing Suiteに適している電子出版の形態とは
Adobe Digital Publishing Suiteで作られたすべての電子出版物を見てきているリバーシッジ氏。このツールに適している電子出版物について伺うと「雑誌」と即答した。日本の主な出版物は、雑誌や出版、マンガ、新聞だ。このなかで、読者が読書体験を満喫でき、なおかつ文字以外の要素(映像や音楽)を入れることで雰囲気を盛り上げられる媒体は雑誌だけ。さらに、雑誌ならば記事中に広告が入っていてもおかしくはない。これは出版をビジネスとして考えたときに重要な問題である。ただし、「広告を入れる場合には記事の雰囲気を壊さないような配慮が大事」とリバーシッジ氏は語る。
同氏は「Martha Stewart Living」を使ったデモンストレーションにおいて、とある料理の作り方を紹介した記事を紹介してくれた。その記事では「パイの焼き方」が紹介されているが、実はこれは企業広告なのだという。このように「つい読んでしまいたくなる広告」をさりげなく雑誌内に挿入するテクニックが、電子出版においては重要になる。
電子出版には、いままで出版社が蓄積したノウハウを活用できることは多々あるが、このように新たなテクニックも必要だ。リバーシッジ氏も、「我々は電子雑誌という形態で、さまざまなリッチコンテンツを生産できるように、本ツールを開発し続けている。今後どのように変化していくのかが楽しみだ」とこれからの電子出版について語った。