米Novellは4月6日(現地時間)、.NETとC#でAndroidアプリの開発が可能になる「Mono for Android」の提供を開始したと発表した。Visual Studio用のプラグインが提供されており、同IDE上でAndroidアプリの開発が可能だ。価格は個人開発向けのProfessional Editionの1年間ライセンスが399ドル、Enterprise Editionが同999ドル、5人の同時利用ライセンス版が3999ドルとなっている。また既存のMonoTouchユーザー向けの割引き販売プログラムも用意されている。
「Mono」はオープンソースでNovellを主導に開発が進められている.NET互換の開発環境で、C#コンパイラのほか、CLRのような.NETランタイムなどを中心としたツールセットが提供されている。純正の.NET環境が提供されるWindows以外にも、Mac OS XやLinux向けのMonoが提供されているほか、iPhoneでの動作を目的とした「MonoTouch」と呼ばれる製品が存在し、一種のクロスプラットフォーム環境を実現している。MonoTouchについては、Appleが一時期iOS SDKの利用規約を変更してサードパーティ製ツールの締め出しにかかり、その影響で利用できなくなるのではないかとの見方が広がっていたが、結局Apple側が規約を取り下げることでこうしたクロスプラットフォームの利用が公式に認められるようになり、iOS開発ツールの1つとして認知されるようになった。
Mono for Androidもこうした一連のMono製品群の1つにあたり、Android標準のJavaではなく、C#ベースでのアプリ開発が可能だ。AndroidのネイティブAPIのほか、.NETで標準的に用意されているAPIという2種類のAPI群を適時呼び出すことが可能。また前述のようにVisual Studio 2010用のプラグインが提供されており、EclipseではなくVisual Studio上に開発環境を構築できる。これにより、他のプラットフォームで開発したコードをある程度そのまま流用することが可能となり、開発期間やコストを短縮できるメリットがある。