Apple最薄/最軽量のノートPCとして知られる「MacBook Air」は、2010年末から、従来の13インチモデルに加えて新たに11インチモデルを用意し、最新モデルの提供が開始された。だが、その後MacBook Proのラインナップが最新のSandy Bridgeプロセッサを搭載して今年2011年2月にリニューアルしたのに対し、MacBook AirではいまだCore 2 Duoの旧世代のプロセッサを採用している。HardMacでは、新型の低消費電力Sandy Bridgeを搭載したMacBook Airが登場する可能性を示唆している。
HardMacによれば、MacBook Airで採用される可能性のあるSandy BridgeプロセッサはCore i5-2537Mで、プロセッサの動作クロック周波数自体は1.4GHzだが、Turbo Boost時の最大クロックが2.3GHzまで引き上げられる。さらにHyper Thereading Technology (HTT)にも対応するため、2コアながら最大4スレッドまでの同時処理が可能だ。FSBもCore 2 Duo世代の800MHzから1,333MHzまで引き上けられるため、全体に処理速度向上が見込める。MacBook AirはSSD搭載で体感速度が大幅に向上しているが、一方でプロセッサの処理能力不足に不満を持つユーザーも多く、もしこれが実現するのであればこれは大きな飛躍だ。
だがCore i5-2537MのTDPは17Wで、現行のCore 2 Duo SU9400の10Wに比べると大幅に高くなる。ただしHardMacによれば、現行モデルで外部GPUとして使用しているNVIDIA GeForce 320MをSandy Bridge内蔵のGPU機能で置換することで、このTDPのギャップを埋めることが可能だという。GeForce 320Mとモバイル向けSandy Bridgeに内蔵されているIntel HD Graphics 3000ベースのGPUでパフォーマンスがどう変化するかは現時点で不明だが、CPU側のパフォーマンスが大幅に引き上げられることになるため、トータルでみればユーザーのメリットになる可能性が高い。
なお、現行のMacBook AirではSU9600という1.6GHz駆動の上位版プロセッサをBTOで選択することが可能だが、今回話に上がっているSandy Bridge世代のMacBook AirではCore i7-2657Mが選択される可能性が高いようだ。このプロセッサの動作クロックは1.6GHzで、Turbo Boost時の最大クロックは2.7GHz。GPUの動作クロックも強化されているため、全体的なパフォーマンスの向上も期待できる。TDPもi7-2537Mと同じ17Wで、Fudzillaによれば2011年第2四半期中のIntelからの出荷が見込まれる。HardMacはこの両プロセッサを採用する最初の製品がMacBook Airになる可能性を挙げており、それが正しければ比較的近い時期にMacBook Airがリニューアルされるということになりそうだ。