国土交通省は5日、東日本方面の鉄道復旧状況のまとめを発表した。東北線(上野 - 青森)の復旧が進捗し、4月中旬に全線再開の見通しがたったため、東北線経由のコンテナ列車を再開するという。鉄道貨物はこの他に日本海ルートの石油列車や被災自治体向けの支援物資無賃輸送が続けられているとのこと。
盛岡貨物ターミナル駅 |
郡山駅(貨物駅) |
東北線(JR東日本、青い森鉄道、IGRいわて銀河鉄道)は現在、上野 - 黒磯、安積永盛 - 福島、岩沼 - 仙台 - 松島、一ノ関 - 青森の各区間で運転中。6日に花泉 - 一ノ関間、7日に福島 - 岩沼、9日に松島 - 小牛田の各区間が運転再開予定となっている。残る黒磯 - 安積永盛、小牛田 - 花泉の各区間も4月中旬には運行再開の見通しとなった。
JR貨物は東北線および常磐線の不通期間について、トラックをチャーターした代行輸送(レール & トラック)を実施しているという。レール & トラックにより、鉄道貨物ルートは郡山、仙台、水戸、日立への輸送が再開している。このうち、郡山、仙台については4月中旬からコンテナ列車による運行が再開されるとのこと。
これ以外の鉄道貨物輸送として、日本海ルート経由の東北向け石油列車と不通区間以外のコンテナ輸送が実施されている。
東北向け石油列車は根岸駅(神奈川・横浜市)から盛岡駅行・郡山駅行が設定されており、どちらも1日2便。
盛岡行は根岸駅19:44発 - 盛岡駅翌日21:48着と、根岸駅11:46発 - 盛岡駅翌々日09:24着で、輸送量は1日当たり1,200kl~1,400kl。この量は20kl積みタンクローリー約60~70台分に相当するという。輸送実績はガソリン7,966kl、軽油5,524kl、灯油4,280kl、重油3,828klで、合計21,598klとのこと。
郡山行は根岸駅21:31発で、途中駅で10両ずつに分割して郡山駅着は翌々日の06:45着と13:18着。輸送量は1日当たり1,200klで、この量は20kl積みタンクローリー約60台分に相当するとのこと。輸送実績はガソリン3,420kl、軽油2,576kl、灯油1,288kl、重油1,768klで、合計9,052klという。
コンテナ列車は札幌駅 - 盛岡駅、隅田川駅(東京) - 土浦駅などを運行中。また、支援物資についてはJR貨物が関西・九州方面などから新潟駅や秋田駅などでトラックに積み替えて被災地まで届けているという。JR貨物は鉄道輸送運送業界の協力を得て、救援物資を無賃で輸送しているとのこと。
(画像:国土交通省資料)