現在開発が進められているといわれる同社携帯電話の次世代版「iPhone 5」(仮称)に、Appleがソニーから部品供給を受けて8メガピクセルのカメラを内蔵するのではという噂が広がっている。これは、ソニー会長兼CEOのHoward Stringer氏が、米ニューヨークのカーネギーホール(Carnegie Hall)で4月1日(現地時間)に開催された米Wall Street JournalのコラムニストWalt Mossberg氏との対談で語った内容を基にしている。
この件については、9 to 5 MacやWall Street Journalが報じている。対談の中でStringer氏は、先の東日本大震災によって同社の仙台工場がダメージを受けており、デジタルカメラなどで利用されているイメージセンサー生産に影響が出ているために、顧客への納品の遅れが見込まれると説明している。9 to 5 Macでのコメントをそのまま引用すると、ここで同氏は「Our best sensor technology is built in one of the (tsunami) affected factories. Those go to Apple for their iPhones... or iPads. Isn’t that something? They buy our best sensors from us?」と語ったとしており、その顧客の1社がAppleであることを示唆している。現在知られている範囲では、ソニーからカメラ部品の供給を受けて製造されているAppleはなく、おそらく今年秋の登場が噂される「iPhone 5」がそのカメラ部品の採用デバイスになるのではと予測されているのだ。
現在、AppleはiPhone 4においてOmniVision製のセンサーを採用しているが、これをiPhone 5で別の納入先に変更するのではないかという噂はたびたび流れていた。その候補の1つとしてソニーの名前もあがっていたが、一方で搭載部品の増大からコスト増が続くiPhoneにおいて、Appleが既存部品のコストダウンを図っているとの話も漏れ伝わってきており、こうした理由から「センサー部品のグレードを上げてコストアップを行う可能性は低いのでは?」という意見も根強い。Stringer氏のコメントの意図するところは不明だが、基本スペックに関してほとんど話題のなかったiPhone 5について、具体的な話が出てきた点は興味深い。