オーエスは4日、太陽光発電システム「モバイルソーラーユニットGSR-110B」を、一般ユーザーへも販売することを発表した。現在、NTT-Xストアで、販売が開始されており、出荷は20日以降となる。価格は、USB出力と連結用接続ケーブルが付属した「GSR-110B」が3万1,290円、緊急災害キットが付属したGSR-110B-S1が3万3,390円となっている。
GSR-110Bは、災害などで電源供給が無い地域での使用を想定した非常用の太陽光発電機。本体にはニッケル水素充電池が内蔵されており(容量は12V/2A)、シガーソケットからDC12Vの電源を利用できる。出力を12Vとしているのは、電気工事の資格が不要といった災害地での利便性や安全性を考慮した結果。フル充電に必要な時間は約5時間(日照条件により異なる)。2基のGSR-110Bを接続して高速に受電を行うことも可能だ。また、屋外での使用を考え、IP13の防滴規格にも準拠している。本体サイズは、巻き取り時が510(W)×130(D)×114(H)mmで、展開時は奥行きのみ1200mmとなる。質量は3kg。GSR-110B-S1に付属する緊急災害キットの中身は、4口のUSB増設ハブ、16,000mcdの充電式LEDランタン(12灯のLEDを登載しており、50時間の連続使用が可能)、携帯電話充電ケーブル(DoCoMo/au/Softbank)。
GSR-110Bの発電部分には、富士電機製のアモルファス型太陽電池シートが利用されており、これをプロジェクタースクリーンメーカーのオーエスが移動や展開に便利なように、コンパクトなケース部分にスクリーンを巻き取って収納できるタイプとして商品化した。
GSR-110Bは、当初、B to B向けの製品として昨年11月に発表されていたもの。おもに地方公共団体向けの製品として営業が行われていた。その際の価格は6万円前後。1月より、同社の工場敷地の屋外に放置し、耐候試験を行っていたところ、東日本大震災が起こり、急遽、震災の災害現場での活用に役立てるため、生産体制の効率化や材料の供給体制の見直しを実施。約1/2の3万円前後という低価格での供給を実現したという。
なお、初期生産分は500台。さらに増産態勢を整えつつあるが、既に災害地への支援物資としての受注が500台を超えており、一般ユーザーの手に入るのはもう少し先になりそうだ。