スイス・バーゼルにて開催中の世界最大級のウオッチ&ジュエリーショー「BASELWORLD 2011」。24日、カシオ計算機はBASELWORLDの会場近くにて、イギリスから訪れたバイヤーやメディアを集めたパーティーを開催した。
BASELWORLD Villageを会場として行われたパーティーに招待されたのは、イギリスを代表する高級ジュエラー関係者、新聞や雑誌、WEB媒体の記者らを中心に70名程度。キャンドルの灯りが"大人の夜"を演出する空間には、カシオの顔でもある耐衝撃ウオッチ「G-SHOCK」と「Baby-G」のプレミアムラインが並び、壁にはその歴史やコンセプト、機能などを解説する展示も用意されていた。
カシオUK シニアプランニングマネージャー 久保廣晃氏によると、現在、イギリスでのG-SHOCKの平均販売価格は1万~1万5,000円程度。カシオの狙いは、今回のパーティーを機に、「G-SHOCKやBaby-Gのプレミアムラインを体験してもらい、英国の高級店の開拓を進めること」(久保氏)。将来的には、平均販売価格を3万~6万円に高めることが目標なのだという。
会場には新たにG-msのアンバサダーに加わったイギリスの若手デザイナーHannah Marshall氏も来場。黒のロングヘア、切りそろえた"ぱっつん前髪"でひと際オーラを放っていた彼女が手がける作品は、「素材にこだわっていることが特徴。G-msと通じるところがある」と久保氏。さらに、これまではブティックのオーナー、デザイナーなどファッション界のオピニオンリーダーがアンバサダーを務めてきたG-SHOCKのプレミアムラインでは、今年から「音楽の要素も採り入れていく」とし、ふたりのDJが新たにアンバサダーに任命された。
Hannah Marshall氏をはじめとするアンバサダーたち。Baby-Gに関しては、歌手のKE$HAがグローバルアンバサダーとしてイギリスでもポスターなどに用いられる |
カシオ計算機 商品企画部部長の南俊二氏(右)と、今年から「G-ms」のアンバサダーに任命されたHannah Marshall氏 |
情報発信都市・ロンドンに「G-SHOCKストア」
実は、23日に行われたプレスカンファレンスにて、カシオは同社腕時計全般を扱う「CASIOストア」とG-SHOCK/Baby-Gに特化した「G-SHOCKストア」を用意し、ふたつの店舗形態を共存させ、明確にブランドごとの情報発信を行っていくことを明らかにした。予定されているG-SHOCKストアは、全世界で10店舗程度。「まずは数を絞り、情報発信都市できっちり伝えていきたい」(カシオ計算機 時計戦略部次長 田中徹氏)という思惑がある。
G-SHOCKストアは、まずお膝元である「東京」にオープン(現在のお台場にある店舗を改装予定)、その次に出店を予定しているのが「ロンドン」だ。このことからも、イギリスがカシオにとって、欧米における重要な情報発信都市と位置づけられていることがわかる。「ヨーロッパの入り口として、ロンドンをおさえたい」と田中氏は語る。「情報のスピード、ファッションのスピードがはやい」というロンドンのイメージはヨーロッパ圏での共通認識なのだという。
カシオでは、これまでもロンドンにてG-SHOCKワールドツアー「SHOCK THE WORLD」を開催したり、アートイベント『シークレット・ウォーズ』をスポンサードしたりとカルチャーと結びつけたユニークな情報発信を行ってきたが、今年は"ヨーロッパ攻略"のためにさらに積極的なプロモーション活動を展開していく予定だ。
"時計のメッカ"であるスイス。パーティー会場に集まった英国人バイヤーに、カシオの腕時計はどのように映ったのだろうか。