米Googleがタブレット向けの同社最新OSである「Android 3.0 "Honeycomb"」のソースコード公開を遅らせる予定だという。オープンソースOSとして知られるAndroidだが、Googleによれば外部開発者がソースコードに触れる準備が完了しておらず、公開までにいましばらくの時間が必要のようだ。米Bloombergなどが3月24日(現地時間)に報じいる。
AndroidのソースコードはGoogleのオープンソースプロジェクトの一環として同社サイト内で公開されており、外部開発者らがこれを利用して自在にカスタマイズすることが可能になっている。だが現時点で最新のHoneycombについては公開が行われておらず、内部関係者やごく一部の外部開発者のみがソースコードに触れられる状態となっている。だが、すでにMotorolaがすでにHoneycomb搭載機の「Xoom」を発表しているほか、LGやSamsungなどもすでに対応製品の発売を間近に控えている。All Things DigitalのBlogでも指摘されているように、これらメーカーの関係者は現在も問題なくソースコードにアクセスできており、Wall Street JournalによればDell、HTC、Acerなどのベンダーの製品計画にも現状で影響はないという。Google自身はHoneycombをオープンソース化する意志には変わりなく、ただある程度の対策を施したうえで時期とタイミングを見て公開ということのようだ。
問題は、なぜソースコード公開を中止し、外部開発者からのコードへのアクセスを遮断したのかという点だ。WSJではGartnerのアナリストCarolina Milanesi氏のコメントを掲載し、「Googleはソースコードを公開することで、これらベンダー発生しうるダメージを軽減したいのでは」ということで低コスト端末を販売するベンダーらの攻勢を抑え、ブランドを守りつつベンダー優遇策を探っているのではと分析している。
だが実際には、もっと現実的問題があるとの見方もある。例えば先ほどのAll Things DigitalのMobilized BlogでIna Fried氏はGoogle側の「Honeycombはタブレット最適化を目指したプラットフォームであり、それをできるだけ早期に実現したい。だがソースコードを公開する以上、それを(スマートフォンのような)携帯電話に組み込もうとする開発者は当然出てくるわけで、それが諸処の問題を引き起こしてユーザーがAndroidに対して疑心を向ける結果につながる」というコメントを紹介している。The Next Webによれば、開発者の中にはHoneycombをハッキングしてスマートフォンへのインストールを成功させ、いまだ正式リリースされていない「Google Music」アプリまで発見したという事例を報告している。公開するならば、事前にそれなりの対策が必要だというわけなのだろう。