会場にはワコムのペンタブレットが多数用意されていて、来場者は実際に試すことができた

ワコムは、2011年2月22日、都内にて「コミック&イラスト作成講座」を開催した。同講座では、ペンタブレット初心者に「Intuos4」の機能や活用法を解説する「Intuos4セミナー」が行なわれた。

セミナーに登壇したワコム 流通営業部 流通営業Gr 西村祥一氏は、ペンタブレットの操作に慣れない人に向け「早く操作に慣れる秘訣」を紹介した。西村氏は「ペンタブレットはとても便利な入力デバイスですが、操作に慣れるまでのハードルが少々高く、独特な操作に慣れるまでに挫折してしまう人も多い」と語った。初心者に向けて西村氏が提案したのは、3日間くらい一切マウスを使わずに、PCで行なうすべての操作をペンタブレットだけで行なうということ。Microsoft Officeやメーラーなどをペンタブレットで操作していると、ほとんどの人は3日間のうちにペンタブレットの操作に慣れるとのこと。

ワコムのペンタブレット製品の特徴とは

ワコムのペンタブレットは、エントリーモデル「Bamboo」シリーズと、ハイエンドモデル「Intuos」シリーズのふたつ。この他にプロ用の液晶ペンタブレット「Cintiq」シリーズもあるが、内蔵されているエンジンは「Intuos4」と同じとのこと。西村氏は、「Bamboo」と「Intuos4」の違いについて解説した。

西村氏は「わかりやすく言うと、『Bamboo』が軽自動車ならば『Intuos4』は高級車。速さと乗り心地がまったく違います」と自社のペンタブレットを自動車に例えた。ここで言う「速さ」とは、ペンタブレットで線を描いたときの反応速度。Intuos4は紙と鉛筆で描いているかのように、タブレットに触れた瞬間に線が描かれる。Bambooシリーズでも線は描けるのだが、Intuos4ほどの反応速度は出ない。多少「もっさり」とした感覚だ。そして「乗り心地」とは、ペンで描いたときの感覚。Intuos4はペンでタブレットに少し触れただけでで線が描かれ、まるで紙に鉛筆で絵を描いているような操作感だ。これは、タブレットの筆圧検知能力が影響している。Intuos4は筆圧を2048段階で検知するが、低価格帯のBambooシリーズは1024段階。繊細な描き味が求められるクリエイターたちがIntuos4を好んで選ぶ理由がわかるだろう。

「Intuos4」が「Photoshop CS5」のブラシを最大限に活かす

続いてアドビのグラフィックツール「Photoshop CS5」の「ブラシツール」をIntuos4で使う方法が紹介された。Intuos4とアートペン(別売りの高性能ペン)を使うと、ブラシツール使用時にペンの回転を認識できるようになる。これを用いると、ペンの向きによって線の太さを変化させられる。例えばアートペンで線を引くとき、正位置で引くと太い線が描かれ、ペンを手の中でクルッと90度回してから線を引くと細い線が描かれる。この感覚は、まるで実物の平筆を扱っているかのよう。ユーザーが線の太さを自在にコントロールできるため、水彩画や油絵のようなアナログタッチのイラストを描くときに重宝する。

「Photoshop CS5」のブラシツールを使うと、ペンの傾きも検知する。傾いている角度は、画面左上に表示される