"生"なクッキーが超人気
生チョコレートや生キャラメルに続く"北海道スイーツ"として、いま人気急上昇中なのがコーキーズインターナショナルの「生(レア)クッキー」だ。北海道・長万部(おしゃまんべ)発の「口溶けなめらか」な新食感クッキーで、インターネット販売の他、全国のデパート催事場などで販売され、口コミで人気を拡大。2010年3月~2011年2月の累計販売数は80万枚を突破した。どうやら人気の秘密はクッキーなのに"生"という点にありそうだ。
「生クッキー」は4種類(1枚125円・ネット通販の場合は送料別)。1番人気がホワイトチョコレートをトッピングした「クリーミーホワイトチャンク」。他に、バターと生クリームをたっぷり使った「濃厚フレッシュ」、ピーナッツペーストを練り込んでマカデミアナッツをトッピングした「マカチョコチャンク」、焦がしキャラメルを練り込んでカシューナッツをトッピングした「キャラメルカシューチャンク」がある。
形状は丸く、直径5cm強。見た目は「クッキー」である。どうしてこのクッキーが「生クッキー」と呼ばれ、これほどの人気を集めているのだろうか。コーキーズインターナショナルの代表取締役・佐藤公紀さんに聞いてみた。
失敗から生まれた傑作
コーキーズインターナショナル代表取締役・佐藤公紀さん。北海道生まれの北海道育ち |
「実は失敗作からできたのがこの生クッキーなんです」とコメント。ある日クッキーを焼いていたら、オーブンの中で生地がパンみたいに膨らんだのだそう。皆が「失敗した……」と落胆しつつも試食をしてみたら、何とも言いようのないしっとりした食感になっていたという。「その瞬間、『これだ! 』とひらめきました」と佐藤さん。その後、開発を進め、現在のような" 生(レア)な食感" が生まれたとのことだ。
使用する素材も厳選。北海道産小麦の「はるゆたか」や道産バターを使い、地元産の新鮮な卵、オホーツク海の塩も使用。しっとりとした食感が特徴ではあるが、これら材料のおかげで非常にリッチな味わいである点も見逃せない。まさに北海道の良質素材が凝縮されたクッキーというわけだ。
もちろんそのまま食べてもおいしいのだが、最近では電子レンジで温めて食べたり、冷凍庫で冷やして食べる人も少なくないという。温度によって、独特の食感が微妙に変化していくので、このようにして食べ比べするのも楽しそうだ。
ところで、「生クッキー」は独特の食感はどのようにしてつくられるのだろうか。製造工程での特徴は、マイナスイオンが発生する特殊な冷蔵庫で生地を長期熟成させている点。まるでメレンゲのように角がたつほどやわらかい生地を、徹底した温度管理のもとで手づくりで1枚1枚成形してオーブンで焼く。なので、形はちょっといびつなものもあるという。これは「アイキャスハイブリッド熟成法」と呼ばれ、素材本来の風味やコクを高める独自の製法なのだという。
この春には、新商品も登場する予定。ますます今後、目が離せない北海道の要注目スイーツである。