2月から3月初旬にかけて開催された国内時計メーカーの展示会レポート。ここまで、セイコー、シチズン、オリエントと紹介してきた。締めくくりとなる第4弾は、単独で展示会を開催したカシオである。
センサーを搭載しながら、リーズナブルな「GDF-100」
本来は電子機器メーカーのカシオだが、G-SHOCKが人気を博して以降、現在まで多数の時計をラインナップ。時計ファンにとってカシオの"大看板"であり、年々注目も集まっているだけに、やはり今回もG-SHOCKに目が行ってしまう。
とくに注目すべき話題作は、「G-SHOCK GDF-100」である。カシオは数々のセンサー機能を開発しており、すでに方位計、気圧(高度)計、温度計を搭載する「プロトレック」を販売している。今回の「GDF-100」は、カシオが得意とするセンサー機能のうち、気圧(高度)計と温度計を2種類搭載。それでいて価格は2万円以下と、きわめてリーズナブルなのだ。
機能が盛りだくさんで表示も多彩、調整ボタンやモード選択ボタンなどを配した9時位置の張り出し部分も強烈なアクセントとなり、ギアっぽい雰囲気も。機能・外観ともに、カジュアルシーンでおすすめしたくなる1本だ。
もうひとつのG-SHOCKの新作「GD-200」は、バンドに新機軸を投入している。それが「グラスファイバーインサートバンド」。この時計のバンドには、細やかなチェッカー状の凹凸が見える部分があるが、これこそグラスファイバーの独特の縞模様なのである。
グラスファイバーはサーフボードやスケボーに採用される強靭な素材で、強度がきわめて高い。近年流行の「カーボンファイバー」とは違って繊維の色がシルバーであるため、クリアなカラー樹脂を上に乗せることで、美しい色合いを表現することも可能。時計本体のデザインも、グラスファイバーの近未来的なイメージに似合う新設計で、計測結果が60本もメモリー可能なクロノグラフを搭載。これもまたおすすめの1本だ。
機能もデザインのポイントに。ラグジュアリーな旬モデルも
スポーツラインのG-LIDEから登場した、BABY-Gの新作「BLX-100」は、女性に訴求するためのタフなスポーツウオッチだ。
G-LIDEらしい20気圧防水を備え、アクティブな女性のスポーツユースにも完璧に対応。同時に、このシリーズのセールスポイントである潮位計(タイドグラフ)や月齢表示(ムーンデータ)も装備した。とくにタイドグラフは、満潮や干潮のタイミングがわかるため、ヨットやサーフィンなどのマリンスポーツにはうってつけ。フェイスの上部に配置されたタイドグラフが変化する様子は、見た目にもユニークで、デザインのワンポイントにもなっている。
G-LIDE BABY-G「BLX-100-1JF」。フェイスには型打ち模様のメタル素材が配されている |
写真左から「GDF-100GB-1JF」「GA-1100GB-1AJF」「GD-100GB-1JF」。ゴールドが映える |
90年代には社会現象まで巻き起こしたG-SHOCK。現在もストリートの定番アイテムとして、ユース層から絶大な支持を受けているが、なかでも各所にゴールドをあしらった「Black × Gold」は注目度の高いシリーズだ。
今回用意された「Black × Gold」は、2つのセンサーを装備する「GDF-100GB-1JF」、1/1000秒計測可能なクロノグラフや速度計測機能付きの「GA-1100GB-1AJF」、比較的ベーシックな機能とビッグフェイスを兼備する「GD-100GB-1JF」の3タイプ。ブラックを基調とした中に、ところどころに配されたゴールドが際立っており、きらびやかな印象に仕上がっている。
「G」で強い自己主張をしたいならば、これらのモデルに尽きるだろう。
オールブラックの限定モデル
現在のカシオで、もうひとつ忘れてならないのが「プロトレック」だ。前述したような、カシオが得意とするセンサー機能を搭載したアウトドアウオッチの決定版。2010年には待望のアナログ-デジタルのコンビネーションモデル「PRW-5000」が登場したが、今回はその限定仕様となる、プロトレック ブラックチタン リミテッド「PRW-5100YT-1JF」がリリースされた。
特徴のひとつは、ブレスやケースのステンレススチール部分が、イオンプレート加工でブラックに着色されていること。時計全体がオールブラック仕様のモノトーン調となり、一段とダイナミックでクールなイメージに仕上がった。
今回のモデルでは、スケルトン針ではなく、ペンシル型の通常の針を採用し、蓄光タイプの夜光塗料の塗布面積を大きくしているのも特徴となった。針の視認性を上げるとともに、アナログ兼備であることを一段と強調する。光発電の「タフソーラー」や、全世界6局の電波を受信できる「マルチバンド6」など、通常モデル同様のハイスペックを受け継いでいる。春夏の野外活動に向けて、ぜひとも手に入れておきたい1本である。