中小企業庁は23日、東北地方太平洋沖地震などによる影響を踏まえ、2011年度上半期のセーフティネット保証(5号)の対象業種を、原則全業種(82業種)にして実施すると発表した。

セーフティネット保証(5号)は、特に業況の悪い業種に属し、かつ、売上高が一定程度以上減少していること(前年同期比5%以上減少など)などについて、市区町村長の認定を受けた中小企業者が対象で、保証割合は100%保証。保証限度額は一般保証とは別枠で利用可能で、無担保8,000万円、最大で2億8,000万円(8,000万円を超える無担保保証にも柔軟に対応)。

(1)最近3カ月の売上高などが前年同期に比して5%以上減少していること、(2)東北地方太平洋沖地震の発生後、原則として最近1カ月間の売上高などが前年同月に比して20%以上減少しており、かつ、その後2カ月間を含む3か月間の売上高などが前年同期に比して20%以上減少することが見込まれること、のいずれかを満たすことが要件となる。

今年4月からの同制度は、当初は昨年7~9月期の業種ごとの売上などのデータを基に48業種で実施する予定だったが、震災が発生し、計画停電も含めマクロ経済への影響が懸念される一方、業種判断のためのデータを取り直すことも困難となっている。

こうした状況を踏まえ、中小企業庁では、景気対応緊急保証制度が終了する今年4月から、セーフティネット保証(5号)については、緊急避難的に、2011年度上半期において、原則全業種である82業種で同制度を運用することとした。