今年2月、"Gulftown"の開発コード名で知られるLGA1366対応6コア・プロセッサに、新たな最上位モデルとして「Intel Core i7-990X Extreme Edition」が追加発表された。"Sandy Bridge"の登場でやや影の薄くなったLGA1366製品だが、Sandy Bridgeに6コアのモデルが無いため、ハイエンド志向のユーザーは要注目だろう。今回は、その実力を簡単にベンチマークで確認しておきたいと思う。

「Intel Core i7-990X Extreme Edition」

なお、今回のテストは僚誌「PCfan」と共同で行った。テストの内容は2011年3月24日発売の「PCfan5月号」でも掲載予定なので、そちらもご注目いただければ幸いだ。

まずはスペックだが、確認できる情報の限りでは従来のフラグシップ製品であった「Core i7-980X Extreme Edition」のクロック向上版である。定格クロックではi7-980Xの3.33GHzから、i7-990Xは3.46GHzへと向上。1コア時のTurbo Boost最大クロックでもi7-980Xの3.60GHzから、i7-990Xは3.73GHzへと向上している。TDPは130Wのままなので、基本的には1bin増しの"いつもの"上位モデルと考えてよい。

■仕様比較
i7-990X i7-980X
コア数 6 6
スレッド数 12 12
定格クロック 3.46GHz 3.33GHz
Max Turbo 3.73GHz 3.60GHz
L3キャッシュ 12MB 12MB
QPI Speed 6.4GT/s 6.4GT/s
QPI Links 1 1
TDP 130W 130W
VID Voltage 0.800V-1.375V 0.800V-1.375V
価格 999ドル 999ドル

CPU-Zで見てみた。Turbo Boostで最大3.73GHzまで上がる

こうなると、Core i7-990Xに求められるのは、とにかく「最高性能なのか否か」だけである。ではベンチマーク実施の前に比較機材であるが、従来の最上位モデルのCore i7-980Xは当然として、非Extreme Editionの6コア最上位である「Core i7-970」、もうひとつ、現行のSandy Bridgeでは最上位モデルである「Core i7-2600K」も用意した。ほか主なテスト環境は以下のとおり。

■テスト環境1 LGA1366
CPU Core i7-990X
Core i7-980X
Core i7-970
マザーボード ASUS Rampage II GENE (Intel X58+ICH10R)
メモリ 6GB (DDR3-1066 2GB×3)
ストレージ Intel X25-M G1 80GB
GPU NVIDIA GeForce 8400 GS
OS Windows 7 Ultimate 64bit
■テスト環境2 LGA1155
CPU Core i7-2600K
マザーボード ASUS P8P67 Deluxe (Intel P67)
メモリ 6GB (DDR3-1333 2GB×3)
ストレージ Intel X25-M G1 80GB
GPU NVIDIA GeForce 8400 GS
OS Windows 7 Ultimate 64bit