米Microsoftは3月16日(現地時間)、同社のクラウド型サービススイートの「Office 365」が、加Research In Motion (RIM)のBlackBerryデバイスから無料で利用できるようになると発表した。これにより、ホスティングされたExchange Mailの利用や同サービスへの同期などが無料で行えるようになる。同サービスはBusiness Productivity Online Suite (BPOS)経由で提供されるほか、既存ユーザー向けの新価格プランへの移行方法を提示しているという。
Office 365はコラボレーションサーバのExchange、データレポジトリのSharePoint、同期サービスのLync、Officeスイートの簡易版にあたるOffice Web Appsらの機能を集め、ホスティング版として提供されるMicrosoftのクラウドサービス。BPOSをはじめ、通常であればMicrosoftのホスティングで提供されるこれらサービスだが、今回発表された新サービスではRIM自身がこれらアプリケーションをホスティングし、BlackBerry Enterprise Server (BES)の一環として提供することになる。通常であれば、BPOSのStandard版は1ユーザーあたり月額10ドルとなっており、これを無料で利用できることになる。ただし、無料版はBESとしてのフル機能は持っておらず、どちらかといえばBlackBerry Enterprise Server Expressのような簡易版としての扱いとなるようだ。Office 365の性格とあわせ、大企業の導入テスト、あるいは中小企業向けのツールとして活用する形になりそうだ。
RIMによれば、今年2011年半ばにもクローズドベータでサービスを準備し、今年後半には無償でのサービスが利用可能になるという。まずはMicrosoft Exchange Online for Office 365が無償提供される形となり、BESのインテグレーションが完了した段階で一般提供が開始されることになるとみられる。RIMでは今月~来月にかけてタブレットのPlaybook発売の準備も進めており、企業導入がまだ試験段階にあるAndroidらライバルに対し、先行する強みを活かしてアプリケーションやサービスの充実で対抗する構えだ。