米Intelは3月21日(現地時間)、Ultra Mobility Group (UMG)部門ジェネラルマネージャでシニアバイスプレジデントのAnand Chandrasekher氏が同社を去る意向だと発表した。代理にはIntel Architecture Group (IAG)バイスプレジデントのMike Bell氏とDave Whalen氏の両名が共同ジェネラルマネージャに就任する。
Chandrasekher氏は同社モバイル部門、特に近年ではスマートフォンやMIDと呼ばれる携帯型デバイス向けプロセッサやプラットフォーム事業を統括していた。Atomコアを搭載したZシリーズ系のプロセッサを開発し、携帯電話メーカーや携帯キャリア各社に向けてアピールするのが同氏の役割だったが、スマートフォンでのAtom採用は進まず、MIDはカテゴリ自体が認識されたとは言い難く、昨今のタブレットブームの影に隠れる形となっている。製品がハイエンド寄りで一般的なニーズに合致していない、製造拠点が事実上Intelのみに絞られる、同分野での実績がないなどさまざまな原因が分析されているが、一方でタブレット登場でハイエンドチップに対するニーズが高まったにもかかわらず、ここで広く採用されたのはARMプロセッサコアを搭載したライバルNVIDIAのTegra 2だったなど、なかなか新分野で芽が出ない状況が続いている。
今回の動きに関して、IntelがUMGをフェードアウトして、事実上スマートフォン事業から撤退するという見方も出ている。だが同社エグゼクティブバイスプレジデントでIAG部門ジェネラルマネージャのDavid Perlmutter氏は「Intelは同分野へのコミットを引き続き行う」とコメントしており、そうした見方を否定する。また今年中に同社プロセッサを搭載したスマートフォンが出荷予定であることにも触れ、引き続き投資を行っていく意向であるとも付け加えている。