わたらせ渓谷鐵道はこのほど、新型車両「WKT-501」を導入した。同社としては17年ぶりの新型車両という。全長18.5mの両運転台付きディーゼルカーで座席はオールロングシート。最高速度は時速95kmとのこと。

わたらせ渓谷鐵道「WKT-501」型

車体デザインは従来の茜色一色から一新した。窓回りをベージュとして明るくさわやかな印象を与えたという。窓下にはゴールドラインを入れてスピード感を演出。正面と側面にはゴールドでもみじのマークを入れて、同社の紅葉シーズンの景色をアピールしている。側面には従来車両の伝統を継承した動物マークとして「いのしし」を描いたとのこと。この車両デザインは、4種類の図案を列車内に掲示し、乗客の人気投票を実施して決定したという。

性能面では、直結2段変速機の採用で走行性能を向上したほか、ボルスタレス台車などを採用してメンテナンス性も改善したという。非常ブレーキを2重化し、運転状況記録装置やATS-P型自動列車制御装置を搭載、新火災対策に準拠して安全性を高めた。エンジン排出ガスの低減や燃費の向上を実施するなど、環境に優しい車両となっているとのこと。

客室関連では車内表示器を充実させ、床面高さを低くし、車いすに対応した。さらにクーラーを2機搭載して冷房能力を高めたほか、空気バネ台車で乗り心地に配慮したという。

わたらせ渓谷鐵道は1911年4月15日に開業した足尾鉄道が前身で、1918年に国有化され国鉄足尾線となり、1989年に第三セクターのわたらせ渓谷鐵道として営業を開始したとのこと。今年は最初の営業区間である下新田(国鉄両毛線との分岐点) - 大間々間の開業から100周年に当たるという。