間近に見える東京タワー、思いのほか近くにそびえるスカイツリー、そして無数のビルときらきらと光る海……。都会の風景がこれだけ楽しめるのは、六本木ヒルズの49階に位置する「六本木ライブラリー」ならでは。ここで「朝活」するのは、なんとも気持ちがよさそうだ。
「知」の出会いの場の先駆け
「アカデミーヒルズ六本木ライブラリー」がオープンしたのは、2003年4月。現在増えつつある、勉強や交流ができる知的スペースの先駆けだ。その詳細は当サイトの記事を参照いただきたい。
49階の「マイライブラリー・ゾーン」は7時から24時までのオープン(最終入館は23時)。朝の開館から利用しているメンバーは、10数人くらいで、毎日少なくとも5名ほどは、オープン前にビルの前で待っているという。ここの特徴は、冒頭でも紹介した眺めのよさだろう。もちろん、図書館としての充実ぶりやユニークさ、スペースの快適さは言うまでもないのだが、やはりこの景色には目を奪われる。朝一番にこの広々とした東京を眼下に眺めるというのは、想像以上にすがすがしい気分が味わえて、ちょっとクセになりそうだ。この早朝の風景を楽しむだけでも、ここに来る価値がある。もちろん、しっかり「朝活」すべきだけれど……。
1日を有効に使うスタートラインとしての「朝活」
ここで「朝活」を始めて3年になるAさん(男性・30歳)は、大学卒業後就職したが、大学院を目指して勉強するためメンバーとなった。現在公務員のBさん(男性・28歳)は、ライブラリーがオープンした大学生の頃から利用していて、「朝活」歴はすでに8年。司法試験へ向けて勉強中だ。ふたりは1年ほど前に、たまたまロッカースペースで知り合いになったという。
「朝活」をしている理由のひとつにふたりが挙げたのは、朝は人が少ないので集中できるということだった。「午後は混んでくるので、朝のうちにリズムをつくるようにしました」(Bさん)。早朝から始めると午前中に勉強がはかどるというのも共通した意見だった。
早起きについてもたずねてみると、「早起きがクセになったら問題はないですね。夜は早く寝るようになりますし」とAさん。Bさんも「決して無理をするのではなく、自分の体が慣れてきます」と話す。「もちろん、7時にここに来るというモチベーションの維持は簡単なことではありませんが、こうして仲間ができると自然と意識は高まっています」(Aさん)。やはり、仲間がいるというのは大切な要素のひとつとなっているようだ。
そして、「朝活」をするというよりも、最善のチョイスをした結果が「朝活」だったとふたりとも語った。「集中して勉強できることのほかにも、1日のいいスタートが切れるし、1日が有効に使えます。1日のコントロールがしやすいともいえますね」と話すAさんの言葉にBさんも頷いていた。
「それと、やっぱりこの風景です。朝日を見るのは気持ちがいいです」(Bさん)。Aさんは写真を撮って、Facebookにアップしたりもしている。ふたりに声をかけたのも、ちょうど窓辺で携帯電話をかざしていたところだった。
朝の太陽は、「朝活」を、そして、その日1日のスタートを、ぐっと後押ししてくれる。