NTTドコモがスマートフォンの新製品としてXperia SO-01Bの後継機種「Xperia arc SO-01C」を発表。3月4日より全国のドコモショップで事前予約受付を開始している。本稿では3回にわたり、1月にInternational CES 2011で発表された国際版「Xperia arc」の使用感を紹介している。4回目となる今回は、カメラ機能について解説したい。

Xperia arc(国際版)

「Xperia arc」徹底解説!!

第1回 まずは外観デザインをチェック
第2回 独自ウィジェットでマルチメディア機能を便利に活用
第3回 さらに強化されたマルチメディア関連機能を試す
第4回 第4回 810万画素カメラの実力をチェック!!

スナップに十分、サクサク撮れるカメラ

Xperia arcは、カメラ機能も強化されている。撮像素子は有効画素数810万画素で、ソニーのデジタルカメラ「サイバーショット」にも使われている裏面照射型CMOSセンサーのモバイル版「Exmor R for Mobile」を搭載する。裏面照射型センサーはコンパクトデジタルカメラでは一般的になってきており、スマートフォンではiPhone 4などにも搭載されている。

カメラは画面のはしにある。ちょうどボディがふくらんでいる部分で、うまく入れ込んだという感じだ

シャッターボタンはカメラと反対側の側面。ちょっと小さい

裏面照射型センサーは、光を多く取り込めることで暗所撮影に強く、高感度撮影時のノイズが少ないことが特徴だ。CMOSセンサーは高速動作が可能なのもメリットだが、Xperia arcのカメラ自体に連写機能はない。ただ、記録時間が短く、サクサクと連続してシャッターを切ることができる。

レンズはF2.4と少し明るめ

本体側面の下部ギリギリに設置されているシャッターボタンは、半押しすることでオートフォーカス機能を利用できる。小さいボタンなので、さすがにデジカメ並みの操作感とまではいかないが、シャッタータイムラグもスマートフォンとしては優秀な方で、サクサク撮れる。

撮影時の画面。左側に撮影設定のアイコン、右側には撮影した画像が表示される。下部に表示されたカメラとムービーのアイコンを切り替えて静止画と動画を切り替えられる

顔検出もサポート。動画撮影時でも顔検出が動作する

ディスプレイを使ったオートフォーカス撮影にも対応する。被写体にカメラを向けてフォーカスを合わせたいところにタッチしていくだけで次々と撮影できるのは楽しい。iPhone 4などのほかのスマートフォンと比べても、高画素の810万画素センサーを搭載しながら動作は快適だ。

撮影時には、シーンを認識して最適な設定で撮影するシーン検出、標準、スマイル検出の3種類の撮影設定を設定できる。標準設定ではポートレート/風景/夜景シーン/夜景ポートレート/ビーチ&スノー/スポーツ/パーティ/ドキュメントのシーンモードを選択可能だ。動画撮影機能では720pのHD動画の撮影に対応する。

静止画(左)と動画時のシーンモード

レンズは開放F値がF2.4と明るいものを搭載する。開放F値が小さいほど、光を多く取り込めるので、より早いシャッタースピードで撮影できる、低ISO感度で撮影できるなどのメリットがある。最近の携帯電話ではF2.8クラスが多いので、それよりも明るいレンズを搭載することにもこだわったそうだ。ちなみに、メカシャッターではなく電子シャッターを採用しているため、CMOSの特性である高速で移動する被写体を撮影した場合などに生じる動体ゆがみは発生する。この辺りはスペースに余裕のないスマートフォンではしょうがない面なのかもしれない。

画面の左側をタッチして右に指をスライドさせると設定画面が表示される

逆に右側から左にスライドさせると撮影画像の一覧が表示される

写りは、携帯電話クラスとしては優秀で、解像度が高く細かい被写体もきちんと描写できている。デジカメの裏面照射型センサーでも見られるような低感度時の画像の荒れはあるし、レンズもデジカメレベルとまではさすがにいかないが、スナップとしては十分な解像感と色再現、使い勝手を実現している。

作例。ISO1600まで上がるとかなりノイズは強いが、携帯カメラのレベルとしては高い方だ。低ISO感度では解像感も高く、細かい部分もしっかり描写されている