スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ(S&P)は1日、米チャーティス・グループの損害保険会社の日本支店であるAIU保険とアメリカンホーム保険の保険財務力格付けを、「A」に1ノッチ(段階)引き下げたと発表した。
格下げは、各支店が帰属する米AIU保険会社と米アメリカン・ホーム・アシュアランスの格付けが、2月28日付で「A」へ引き下げられたことを受けたもの。AIU保険とアメリカンホーム保険の保険財務力格付けは、それぞれAIU保険会社とアメリカン・ホーム・アシュアランスの日本支店であることに基づいている。
S&Pは米アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の損害保険事業部門であるチャーティス・グループの保険事業会社の格付けを、2月28日付で「A」へ1ノッチ引き下げており、AIU保険会社とアメリカン・ホーム・アシュアランスの格下げもその一環。
チャーティス・グループ各社の業績は、S&Pの従来の予想を下回っており、「今後もこの状態が続く」(S&P)。これを受け、S&Pのグループ格付け手法のもとで、チャーティス・グループの保険事業会社についてAIG内での位置づけの評価を「中核子会社」から「戦略的に重要な子会社」に変更した結果、1ノッチの格下げとなった。
持ち株会社であるAIGについては、政府による支援が縮小するなか、流動性と財務内容を引き続き改善させていることにもとづき、2月28日付でカウンターパーティ格付けを「A-/A-2」に据え置いた。同時に、同社の長期カウンターパーティ格付けのアウトルックを「ネガティブ」から「安定的」に変更した。また、チャーティス・グループを含むAIGの保険事業会社についてもアウトルックを「安定的」とした。AIGとその保険事業会社の「安定的」のアウトルックは、「AIGがグループ全体として競争力を維持し、堅実な業績をあげていることを反映している」(S&P)。