暇つぶしに最適なゲームの1つがオセロだろう。しかし、「オセロ」という名称が付いたアプリは複数リリースされており、リバーシという名称のものも含めるとかなりの数になるのでどれを選んだらいいのか迷ってしまう。そこで今回は、「オセロ」という名称が付けられた3本のアプリを紹介したい。

左から、UNBALANCE Corporationの「ザ・オセロ」、BTD STUDIOの「オセロ」、lazyer.netの「オセロ Pro」

最初にお断りしておきたいのがコンピュータの強さに対しての評価方法である。筆者はオセロは好きだが、決して「強い」と胸を張って言えるレベルではない。先の先まで手を読むことはできないし、オセロの理論を習ったことがあるわけでもない。その筆者が簡単に勝ててしまうようなら、読者の皆さんもそれほど苦労せずに勝利できると思う。強さを評価する基準が筆者のレベルという曖昧なものでたいへん申し訳ないが、あらかじめご了承いただきたい。

オセロという名称がついたiPhone用のアプリはUNBALANCE Corporationの「ザ・オセロ」の他にBTD STUDIOの「オセロ」、lazyer.netの「オセロ Pro」などがある。執筆時点ではいずれも115円だった。ちなみに「オセロ」という名称は登録商標で、同じようなルールでも「リバーシ」という名称が付けられている製品が多い。ちなみに「ザ・オセロ」と「オセロ」は権利者であるメガハウスのコピーライトが表記されているが「オセロ Pro」はざっと見た範囲ではコピーライトは見つからなかった。では、各オセロアプリを見て行こう。

機能が充実した「ザ・オセロ」

スタート画面はいかにもオセロらしいデザインだ(左)。設定画面では、対局タイプや手番(黒なのか白なのか)、コンピュータの強さ、ハンディキャップなどの設定ができる(中央)。対局画面は上部に棋譜の保存や確認、新規対局、データの読み込みや保存といったアイコンが配置されている

「ザ・オセロ」のバージョンは執筆時点で1.1.0。このバージョンから強さのレベルが10段階追加され、20段階から選択できるようになった。iPhoneとiPadの両方に対応し、コンピュータに勝つと盤や石が追加されるといった機能も用意されている。iTunes Storeの解説で「オセロの真打ち」と言っているだけあって、レベルごとにコンピュータの打ち方もかなり変化があり楽しめる。

勝利まであと1手(左)。B8に石を打つとすべて黒で埋まり「You win!」が表示された(中央)。右も1つ残ってしまったがほぼ完全勝利だ

コンピュータの計算速度はそれほどストレスを感じるものではないが、レベル15を越したあたりから急に強くなりはじめ、考える速度もしだいに遅くなっていく。レベル20になるとまったく勝てなくなってしまい、その代わりコンピュータの考える速度も我慢できるギリギリのレベルまで遅くなる。まあ、プレイできなくもない速さだ。

このアプリには「ヒント」という機能が用意されていて、アイコンをクリックすると石を打つ的確な位置を教えてくれる。そこでコンピュータが強いのかそれともヒントが強いのか調べてみることにした。すべての石をヒントに従って打ってみたところレベル15では見事に勝利! しかし、レベル20では2回ほどやってみたが勝てなかった。まあ、ヒントに従って勝ててしまうと最強モードのほうが弱いということになるから、この結果はご愛嬌というところか。

「ザ・オセロ」は、未だにほとんど勝つ事ができず、今回取り上げたのアプリの中でも機能、強さ、グラフィックともイチオシだ。真剣にオセロを楽しんでみたいという方にはオススメである。

日本オセロ連盟公認の「オセロ」

いかにもオセロといったデザインだ。今回紹介したアプリの中で盤面の角度を変えることができるのはこれだけ。「Hard」モードでは最初負けていたが、慣れてくるとなんとか勝てるようになった

iTunes Storeの解説に「日本オセロ連盟公認」と堂々と書かれているのがこの「オセロ」だ。カメラアングルを変更できる機能を備えていて、打ちやすいかどうかは別として、まるでイスに座って斜め上から見ているような角度で盤面を表示することができる。さらに3種類の枠と8色盤面を組み合わせてボードのデザインを決めることも可能だ。強さは「Easy」「Normal」「Hard」の3段階から選ぶことが可能でヒント機能も備えている。コンピュータが考える時間は「Easy」でも「ザ・オセロ」と比較して遅く感じる。また、石の周囲のジャギーが一番目立ったのはこのアプリである。

面白い機能としては、プレイ中にiPhoneを振ると石が盤面から離れてバラバラになるギミックだ。友人と対戦している最中に「クソッ!」と言ってiPhoneを振り回すと本物のオセロのように盤を画面上でひっくり返すことができるというわけだ。コンピュータの強さは「Easy」と「Normal」はたいしたことがなく、「Hard」は最初手間取ったが回を重ねていくうちにかなりの確立で勝てるようになった。正直なところもう少し強くしてもらえるとさらに楽しめると思う。

オセロの名前はつけられているが…「オセロ Pro」

iTunes Store上の名称は「オセロ Pro」となっているが、アプリを起動すると単なる「オセロ」と表示されている(左)。ゲットした点数を利用してテーマを変更することができる(中央)。勝っても負けても表示されるダイアログには「ゲームオーバー」と書かれている。言葉の意味としては合ってはいるが…

最後は「オセロ Pro」というアプリ。iTunes Storeの解説には「あなたはオセロ本当のゲームをさがしているなら、これはこれだ!」とちょっと変な日本語だが誇らしげに書かれており、アプリ名にもProと付いているので強いのかなと期待したのだが、信じられないぐらい弱い。コンピュータの強さのレベルは「簡単」「一般」「難い」の3つが設けられているが、最強だと思われる「難い」でもかなり弱い。「難しい」じゃなくて「難い」と表記しているあたりからしてこの弱さを物語っているような気がする。コンピュータが考えるスピードは、石が盤面に少ないうちは他のオセロアプリよりも速いが、石が10個を超えたぐらからコンピュータの考える時間が急に遅くなってしまうタイミングがあり、ちょっと複雑な思考の場面になると長時間反応しなくなることもある。

このアプリには、コンピュータに勝利すると点が付与され、点数に応じたテーマと交換できるという機能が備わっている。しかし、交換の際に「価格:4000」のように表示され、さらに「購入する」というボタンを押すようになっている。最初は「4000円払わされちゃうの?」とドキッとしたが、新手のアドオンとかではないようで、無事テーマは入手できた。どうやら「価格=点数」のことらしい。紛らわしいので、この辺りの表記も是非変えてもらいたいところだ。

オセロをほとんどプレイしたことがない人でもここまで弱いと勝利の満足感が得られるはずだ。必ず勝てるオセロアプリとしてストレス解消にはいいかもしれない。