既報のとおり、米Intelは2.5型SSDの新モデルとしてSATA 6Gbps対応を果たした「Intel SSD 510」シリーズを発表した。カタログスペックで最大500MB/秒もの高速転送をうたっているだけに、その実力の程は是が非でも確認しておきたいところ。今回は250GB/120GBの両モデルとも入手できたので、実際にこれを試してみたいと思う。
コントローラICはMarvell製
さて、インタフェースのSATA 6Gbps対応や転送速度の高速化が「Intel SSD 510」シリーズの特徴だが、さらに注目したいのが"中身"の従来モデルとの違いだ。Intel製SSDというと、「Intel X25-M」といった従来モデルでは、フラッシュメモリもコントローラICもIntel製であった。ところが、今回入手した「Intel SSD 510」シリーズを分解してみたところ、このシリーズだけの措置なのか、それともIntelの方針転換なのかは不明だが、コントローラICにはMarvell製の「88SS9174-BKK2」が実装されていた。
ほか主なチップも見ておくと、キャッシュメモリはHynix製の1Gb DDR3 SDRAM「H5TQ1G63BFR」。記憶領域のNANDフラッシュメモリは、250GBモデルがIntel製の128Gb 34nm MLC「29F16B08JAMDD」×計16個、120GBモデルがIntel製の64Gb 34nm MLC「29F64G08CAMDD」×計16個という実装だった。
■Intel製SSDの主な仕様 | |||
モデル | SSD 510 250GB | SSD 510 120GB | X25-M G2 160GB |
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フラッシュメモリ | 34nm MLC NAND | 34nm MLC NAND | 34nm MLC NAND |
転送速度(Seq) | Read:500MB/s、Write:315MB/s | Read:450MB/s、Write:210MB/s | Read:250MB/s、Write:70MB/s |
Random 4k IOPS | Read:20000IOPS、Write:5000 | Read:20000IOPS、Write:5000 | Read:35000IOPS、Write:8600 |
インタフェース | SATA 6.0Gbps | SATA 6.0Gbps | SATA 3.0Gbps |
今回のテスト環境
それではベンチマークテストに移りたい。テスト環境は以下の表のとおり。なお、マザーボードの「Intel DH67BL」は、現在問題となっている、不具合のあるB2ステッピングのIntel H67 Expressチップセットを搭載する個体だが、今回のテストに限っては、不具合と関係の無いSATA 6Gbpsポートのみを使用するため、影響は無いと判断している。
■主なテスト環境 | |
CPU | Intel Core i5-2500K(3.30GHz) |
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M/B | Intel DH67BL(Intel H67 Express) |
Memory | DDR3-1333 CL9 8GB(4GB×2) |
Graphics | Intel HD Graphics 3000(CPU内蔵) |
Storage | Intel X25-M(G1) 80GB |
OS | Windows 7 Ultimate 64bit |
Intel SSD 510の250/120GBモデルとと比較する機材には、Intel製SSDの34nm版である「Intel X25-M(G2) 160GB」と、Crucial製でSATA 6Gbps対応の「Crucial Real SSD C300 64GB」を用意した。Crucial Real SSD C300は、出来れば高速な256GB/128GB版を用意したかったのだが、手配の都合で、C300シリーズでは下位性能の64GB版しか用意できなかったのでご了承いただきたい。
■C300シリーズの主な仕様 | |||
モデル | C300 256GB | C300 128GB | C300 64GB |
---|---|---|---|
フラッシュメモリ | 34nm MLC NAND | 34nm MLC NAND | 34nm MLC NAND |
転送速度(Seq) | Read:355MB/s、Write:215MB/s | Read:355MB/s、Write:140MB/s | Read:355MB/s、Write:70MB/s |
インタフェース | SATA 6.0Gbps | SATA 6.0Gbps | SATA 6.0Gbps |