"老舗喫茶"時代のテイストが漂う店内

時代の移り変わりやニーズの変化に合わせて、飲食店がメニューや内装をリニューアルするのは、さほど珍しいことではありません。しかし、「レトロな雰囲気の老舗喫茶店」が「メイド喫茶 & コスプレ酒場」に変わるとなると話は別です。

2009年7月、突然の業態変更によりネット上で騒然となった「炭火珈琲庵 古炉奈」、改め「本格欧風コスプレレストラン ザ・グランヴァニア」。リニューアルオープン時にはとにかくそのコンセプトの転換ばかりが話題になりましたが、あれから2年が経った今こそ「ザ・グランヴァニア」がどんなお店になっているのかをレポートする良い時期なんじゃないでしょうか! ということで実際に行ってみました。

お店は秋葉原駅電気街口から1分も歩かずに着く電波会館2F。入り口は古炉奈時代と変わらない。というかよく見ると「古炉奈」の文字が残っている

店内に入ると、まず驚かされるのはその広さです。全部がそうではありませんが、コンセプトカフェって、お店のスペース自体はそれほど広くないところがほとんどです。しかしこのグランヴァニアはとにかく広い! ざっと見た感じ、平均的なメイド喫茶の倍以上あるんじゃないでしょうか。

この写真の手前にもスペースが広がっています

「古炉奈」で使われていたアンティーク家具がいっぱい

抜群の立地に加えてこの広さ、40年以上も店舗を構えてきたからこその老舗の余裕を感じます。"老舗ならでは"といえば、内装や調度品も見逃せません。

椅子やテーブル、その他の内装の多くは「古炉奈」時代から変わっていないとのことで、コンセプトカフェブーム時に急ごしらえで参入してきたお店と一線を画す重厚な佇まいはさすがです。……が、もちろん「欧風コスプレレストラン」を名乗るくらいなので、もちろんそこには「古炉奈」時代にはなかった様々な"RPG風"のインテリアが新たに加わっています。

壁にはドーンとでっかい地図がかかっていたり、それっぽい剣が飾られていたり

と思ったらこんな可愛いぬいぐるみやレゴも。店の奥にはダーツマシンが。月曜と金・土の深夜はメイドさんと一緒にダーツが楽しめる

不思議なもので、アンティーク家具とこうしたRPGの酒場にあるようなインテリアって、意外とマッチするんですよね。……というよりも、「古炉奈」で使っていた家具がもともとそうした雰囲気を持っていたのかもしれません。リニューアル時に安易に内装を全入れ替えせずそのまま使ったのは、世界観の"本物っぽさ"を演出する意味でも大正解だったんじゃないかと思います。