富士通は24日、Windows 7を搭載してアプリケーションの操作や文字入力をマルチタッチ機能で行える法人向けスレートPCの新製品「STYLISTIC Q550シリーズ」を発表した。4月上旬より順次、日本を含む全世界で提供開始する。

STYLISTIC Q550シリーズ

この製品はすでにCES 2011などでも参考展示されていたもの。また、同社では2010年秋に「DL Pad(仮称)」というWindowsベースのスレートPCを第一生命保険に納入することを発表しているほか、1991年から北米を中心に全世界でタブレット型のPCを展開しており、今後さらに高速化する通信環境や企業におけるシステム環境の進化に対応するべく、あらゆるビジネスシーンにおいて安全に利用できるユビキタス端末としてこの「STYLISTIC Q550シリーズ」を提供するとしている。

Windows 7を搭載することにより、マルチタッチ対応および既存のICTシステムとの高い親和性を実現。また、指紋認証やスマートカード、オプションのセキュリティチップ、暗号化機能付フラッシュメモリディスクなどで、高度なセキュリティシステムの構築を可能にしている。CPUは「Oak Trail」と呼ばれる次世代Intel Atomプロセッサーを採用。

日本向けに提供される製品「STYLISTIC Q550/C」では、ペンあり/無線WANモデル、ペンありモデル、ペンなしモデルの3タイプが用意され、無線WANを搭載しない2モデルではWindows 7 Professional 32bit版とWindows 7 Home Premium 32bit版の選択が可能。OSはこのほかにWindows 7 Enterpriseもサポートされる。価格と提供時期は、ペンなしモデルが89,800円からで4月上旬より提供開始、ペンありモデルが99,800円からで5月中旬より提供開始となる。

ディスプレイは10.1型ワイドLEDバックライト付TFTカラー液晶(1,280×800ドット)で、ペンなしモデルは静電容量方式タッチパネル、ペンありモデルは静電容量方式+電磁誘導方式のタッチパネルとなる。ディスプレイの仕様が異なるため、ペンなしモデルの購入後にスタイラスペンのみを追加購入してもペン入力は利用できない。

通信環境は、共通してIEEE802.11a/b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 3.0を搭載。さらに無線WANモデルでは3G対応の無線WANを搭載する。

メモリはPC2-6400 2GBで、ストレージは30GBの標準暗号化機能付フラッシュメモリディスク30GB。このほか、フロント約30万画素/バック約130万画素のWebカメラ、内蔵型指紋センサー、スマートカードホルダー、SDメモリーカードスロットを搭載。インタフェースとしてHDMI出力端子、USB 2.0×1、ヘッドホン/ライン出力兼用端子を装備する。サイズはW275×D193×H16.2mm、約690g。バッテリタイプはリチウムポリマーで、駆動時間は現時点では未公表。

カスタムメイドオプションとして、フラッシュメモリディスクの62GBへのアップグレード、ワイヤレスキーボードやセキュリティチップ、クレードル、専用ケース、Office 2010の追加、大容量バッテリへの変更、保証拡張などが行える。