昨年1月にYerba Buena Centerで開催したスペシャルイベントで初代iPadを発表するSteve Jobs氏

米Appleが3月2日にスペシャルイベントを開催する。報道関係者やアナリストに送られ始めた招待状には、3月2日を示すiCalのアイコンの一角からiPadの右上部分がのぞくイラストが用いられており、どうやら第2世代のiPadについてAppleが語るイベントになりそうだ。場所は米サンフランシスコのYerba Buena Center for the Artsで、現地時間の午前10時 (日本時間:3月3日午前3時)に始まる。

第2世代のiPadに関してはハードウエアに話題が集中し、デュアルコアプロセッサやカメラの搭載、ディスプレイの高解像度化、本体のスリム化など様々な噂が飛び交っている。スペシャルイベントの開催日についても、第3のiOSデバイス(iPad)の第2世代モデルを披露するから3月2日が選ばれたと指摘する声もある。

しかしAndroid陣営からタブレット向けのバージョン3.0 Honeycombを搭載したハイスペックで高機能なタブレットが登場し始めるなか、iPadがハードウエアでライバルを引き離すのは難しくなっている。そこで戦略的にはハードウエアよりもプラットフォームが重要になる。iPadイベントにおいては、iOSプラットフォームのタブレットとしてHoneycombタブレットにはない魅力を示せるか……つまりiOSや対応サービスのロードマップ、開発者サポートなどを含めて第2世代のiOSタブレットをアピールできるかがカギになる。

この点を十分に意識して、Appleはスペシャルイベントの開催日に3月2日を選んだ可能性がある。というのも、サンフランシスコにおいて2月28日から3月4日までゲーム開発者カンファレンス「Game Developers Conference (GDC) 2011」が開催されるのだ。期間中にはモバイルゲーム開発に関する議論が高まるだろうし、同イベントでは3月1日にGoogleが様々な角度からAndroidアプリ/ゲームについて解説する「Android Developer Day」が行われる。

第2世代iPadとHoneycomb以降のAndroidタブレットのぶつかり合いは、ハードウエアに加えてOSの機能やインターフェイス、対応アプリ、対応サービス、Webサービスとの連携などプラットフォーム力の勝負になる。開発者へのアピールという点では、Googleが5月10日/11日に開催する開発者カンファレンスGoogle I/Oと、Appleが初夏ごろに開催するであろうWWDCが控えている。iPadイベントとAndroid Developer Dayは、その前哨戦となりそうだ。

ちなみにGDC 2011の会場はMoscone Centerの北館/南館/西館だ。AppleがiPadイベントを開催するYerba Buena Centerはすぐ隣りである。

手前がAppleのiPadイベント会場になるYerba Buena Center for the Arts。左側奥に見えるのがGDC 2011会場になるMoscone Center