100人の素人カメラマンは着実にスキルアップした
――素人カメラマンの皆さんの撮影はどうでしたか。メイキングを観ると、普通のシーンをハイスピードで無駄に撮影されているカメラマンの方までいましたね。
ハルク「皆さん最初は、高性能のカメラを使えてなくて、本当に持て余してました。7人カメラマンでは、後ろに誰かが見切れてるのに動こうとしないとか、登場人物の会話に合わせて、カメラを左右に振り続けてまったく使えない画ばかり撮っていたりとか、大変でした。ただ、100人カメラマンの頃には、皆さん本当に撮影が上達していました。これを映像作品にするという意識が強くなってきたのだと思います」
矢口「この企画の素人カメラマンを100人を呼ぶということ自体がチャレンジでした。100人分の弁当代も私が負担しましたし(笑)。参加された皆さんからは、自分の映像が1本の作品になるという期待感を強く感じました。私のファンの方も撮影には来てくれていたのですが、その方も私を撮るというより、私を撮らなくても作品の為に良い画を撮ろうとしてくださっていたのが、嬉しかったです」
――参加した皆さんのカメラはデジタル一眼がメインですか。
矢口「デジタル一眼以外にも、コンパクトデジカメで参加されている方もいました。あり得ないほど巨大な望遠レンズで参加されている方もいて、おかげでアップの映像も多く撮れて、映画的になりました」
――動画編集も経験されて、映像作品制作をひと通り終えたわけですが、どのような感想をお持ちですか。
ハルク「やっぱり作品を作るのは、時間がかかると思いましたね。家のPCのWindowsのMovie Makerで編集したのですが、3分程度の作品に何時間もかかりました。編集の方の苦労を知ったので、もっとバラエティの仕事とか、ちゃんとやろうと思いましたね。あと、巨匠監督とかの映画で、長回しの映像で見せることが、いかに凄い事かわかりました。100人カメラマンでは、まだまだカット割りを細かくしないと、もたない映像なんですよ」
矢口「私は一眼レフを今回の撮影のために購入したのですが、また新しいカメラが欲しくなりました。100人カメラマンの続編の企画も出ているので、自分にしか撮れないような映像が撮れるカメラが欲しいですね。ただ、血液型がA型なので、こだわって編集すると1年くらいかかってしまうかもしれません。いつか、そんな時間を掛けた作品も、作れたらいいですね」
ハルク「このDVDをきっかけに、自主制作映画みたいなものが、一般化していけばいいと思います。自主制作映画ってハードルが凄く高い印象があったのですが、機材はみんなあると思うんですよ。デジカメとPCは皆持ってますしね。実は、僕の嫁の出産の時に、陣痛から出産までのすべてを、一眼ムービーで2時間くらい撮影したんです。出産前に嫁にインタビューまでしたのに、出来上がりはたった6分でした。テンポを出して飽きさせない物にするとそれぐらいになっちゃうんですよ。二眼レフカメラの写真や、曲、効果音まで入れた作品なんですが、嫁が見て短さに驚いてました」
撮影:石井健
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