日本損害保険協会は、各損害保険会社から拠出された2011年度の自動車損害賠償責任保険の運用益を活用し、自動車事故の被害者・事故防止事業に対する総額21億7,775万1,000円の支援を行うと発表した。

2011年度の支援は、新規5事業を含む全35事業が対象。その内訳は、自動車事故防止対策に1億2,250万円、救急医療体制の整備に7億4,240万6,000円、自動車事故被害者支援に10億6,833万5,000円、後遺障害認定対策に7,000万円、医療費支払い適正化対策に1億7,451万円。

このうち新規事業は、千葉リハビリテーションセンター等における社会資源マップの作成、日本交通安全教育普及協会における免許取得前の若者に対する交通マナーの教育普及、労働者健康福祉機構 総合せき損センター等における脊髄損傷に関するデータベース構築、日本都市計画学会における交通安全のための街づくりに関する研究、日本交通科学協議会における疾病等起因事故の調査研究となっている。

自賠責保険は、収入から保険金の支払いまでにタイムラグがあることから、その間に生じた利息(運用益)全額を準備金として積み立てることが義務付けられている。また、運用益の使途は、将来の自賠責保険の収支改善のための財源とするほか、自動車事故防止対策や救急医療体制の整備など、被害者保護の増進に資する施策に活用することが可能とされている。