ロジクールは17日、ワイヤレスマウスの新モデルとなる「ロジクール ワイヤレスマウス M515」を発表するとともに、東京都内の本社でブリーフィングセッションを開催した。新モデルの紹介や技術説明のほか、ロジクール製品の歴史紹介、歴代製品の簡単な展示なども行われ、新しさと懐かしさが同居した味わい深い催しだった。
新製品「ロジクール ワイヤレスマウス M515」の概要については別記事を参照いただくとして、ここではブリーフィングセッションの様子をお伝えしよう。
冒頭では、ロジクールの代表取締役社長 竹田芳浩氏が簡単にスピーチ。ロジクール製品の出荷数が2008年に10億台を超えたことや、ロジクールの共同創業者の1人であるDaniel Borel氏の名前を冠した「Daniel Borel Innovation Center」を2010年に開設したことを紹介。今回の新製品「ロジクール ワイヤレスマウス M515」も、このDaniel Borel Innovation Centerで開発されたという。
続いて、ロジクールのマーケティングコミュニケーション PRスペシャリスト 寺沢卓哉氏が、同社のマイルストーン的な製品の歴史と、トラッキングセンサーや無線方式などの技術を解説。1982年にロジクールが初めて開発したマウスや、1984年にリリースした世界初となるワイヤレスマウス、超音波を利用した6軸の3Dマウス、やはり世界初となったBluetoothマウスやレーザーマウスなどが、次々とスライドで示された。
筆者が初めてマウスに触れたのは1980年代なので、ロジクール製品の歴史は非常に興味深かった。また、レーザーポインター付きのBluetoothマウス「Logicool Cordless Presenter」などは、かつて製品レビューを書いたこともあり、よく覚えている。
技術解説では、マウスホイールによる高速スクロール、トラッキングセンサー(光学式とレーザー式)、無線方式(2.4GHz帯、27MHz帯、Bluetoothなど)、ロジクール Unifying技術といった内容が紹介された。
リビングルームに最適な「ロジクール ワイヤレスマウス M515」
今回の新製品「ロジクール ワイヤレスマウス M515」を詳しく紹介したのは、ロジクールのクラスターポートフォリオマネージャー 佐々木史子氏。最近は家の中のいろいろな場所、例えばソファやベッドの上などでノートPCを使うシーンが増えているが、そうした環境で使いやすいマウスというのはありそうでなかったとした。
そこで「ロジクール ワイヤレスマウス M515」に搭載した機能として、まずマウスに手を置いたときだけ操作可能になる点を挙げた。マウス本体に静電センサーを内蔵し、ユーザーが手を置くと自動起動(電源オン)する。これにより、マウスを落としてしまったときなどでも、ユーザーが意図しないカーソルの動きなどがなくなるほか、電池の長寿命化も実現した(最大で24カ月動作)。
また、最大の機能として強調したのが「マウスの裏に穴がない」こと。通常のマウスはトラッキングセンサーの光を照射して読み取るための穴が開いているが、「ロジクール ワイヤレスマウス M515」の底面には穴がない。特殊なレンズとプラスチック素材でマウス底面をシールドすることで、十分な読み取り性能を保持しつつ、いろいろな場所で使えるユーザビリティを実現した。マウス底面のトラッキングセンサー周辺がフラットなので、毛足の長い絨毯や毛布などの上でも問題なく使用でき、ゴミやほこりの侵入による性能の劣化も防げる。ちなみに、「マウス底面に傷が付くことによる性能劣化は?」という質問に対しては、最低でも保証期間中(3年)は問題ないとの認識を示した。
そのほか、高速スクロールに対応したマウスホイール、1つのUSBレシーバーで複数のワイヤレスマウス/キーボードを接続できる「ロジクール Unifying」などを搭載している。
余談だが、ブリーフィングセッションの会場には、ロジクールの過去の製品がいくつか展示されていた。シリアルインタフェースのマウスをはじめ、パッケージに貼られた「Windows 95対応」や「NEC PC9821デスクトップ機対応!」といったシールが感慨深い。偶然にも、その当時に筆者が愛用していたトラックボールが展示されており、思わず感動させてもらった。