スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ(S&P)は15日、米チャーティス・グループが富士火災海上保険の株式の公開買付けを実施し完全子会社化すると発表したことついて、「完全子会社化は富士火災にとって、グループにおける戦略的重要性の評価にプラスに作用するとみている」との判断を公表した。

アメリカン・インターナショナル・グループ・インク(AIG)傘下の損害保険事業会社、チャーティス・インクは10日、グループ会社であるチャーティス・ジャパン・キャピタル・カンパニー・エルエルシー(チャーティス・ジャパンLLC)を通じ、富士火災海上保険の普通株式および新株予約権の全てを公開買付けにより取得することを発表。

今回S&Pは、富士火災の完全子会社化計画について、チャーティスが日本の損害保険事業を強化していく方針を表しているとの見方から、「富士火災のグループにおける戦略的重要性の評価にプラスに働くとみている」との判断を示した。

また、S&Pでは、チャーティスは10年超にわたる提携関係を通じて富士火災の事業・財務基盤に精通していることから、「(富士火災を)完全子会社化した場合、経営効率化に加え、チャーティス・グループの資本力やノウハウを活用して事業・財務基盤の強化を推進していくことが可能」としている。

S&PはAIGならびにチャーティス・グループの信用力を、今年の早い段階で再評価して各社の格付けに反映する予定。その結果を踏まえて、グループ内での戦略的重要性の評価を検討し、富士火災の格付けに反映する予定という。