ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン(GfK Japan)は16日、全国の有力家電・IT取扱い店を調査対象とした、2010年の家電およびIT小物市場の販売動向を発表した。

発表によると、2010年の家電小売市場規模は、エコポイント制度変更前の駆け込み需要や猛暑によるエアコン販売の好調などが寄与し、前年から約1兆円拡大した9兆5,000億円程度となった見込み。販売チャネル別では、家電量販店が前年比15%増、インターネット通販も同26%増と大幅な成長を見せたとのこと。特にエコポイント数半減直前の駆け込み需要の影響は大きく、家電量販店の11月の売上高は前年比87%増を記録している。

分類別の売上げ構成比では、薄型テレビ等を含むビジュアル分類の割合が急増。テレビはエコポイント制度の恩恵を強く受け、数量前年比91%増の2,644万台と約2倍に伸長した。また、DVD / Blu-rayは数量前年比16%増の901万台へ大幅に拡大し、Blu-ray Discレコーダーはモデル数の増加やDVDレコーダーとの価格差縮小によってレコーダー市場の8割弱に達している。これにより、家電量販店におけるビジュアル分類の構成比は、下半期には家電量販店の売上の4割弱を占める結果となった。

ソニー製ミラーレスカメラ「NEX-5」(新色のゴールド)

デジタルカメラは数量前年比11%増の1,067万台となり、2年ぶりに1,000万台の大台を回復。レンズ交換式カメラが前年比23%増と全体を牽引し、中でもシステムカメラ(ミラーレスカメラ)は同171%増を記録している。レンズ交換式カメラに占めるシステムカメラの数量構成比は24%となり、2009年の2倍以上に拡大した。

コンパクトカメラも前年比10%増と数量ベースでは堅調だったが、平均価格の低下により金額前年比は11%減となり、デジタルカメラ市場全体でも8%減となった。コストパフォーマンスに優れる旧モデルが好調に推移した結果、平均価格は前年比20%減の1万9,800円と初めて2万円を割り込んでいる。

エコポイント制度と猛暑が大きく寄与した冷蔵庫は、数量前年比15%増(527万台)の二桁成長となっている。大容量クラス(401L以上) / 中容量クラス(201~400L) / 小容量クラス(200L以下)のいずれも好調に推移したが、特に猛暑となった夏を中心に容量501L以上クラスが伸長し、数量構成比は前年から3%増加して15%となった。

洗濯機についても、エコポイント制度と猛暑を背景とした量販店への来店客数増加の波及効果によって前後の年の買い替え需要が集中し、数量前年比9%増の493万台に達している。