日本貸金業協会は15日、貸金業界の月次統計資料(2月公表分)を公表した。同資料中の2010年12月度実績によると、消費者金融とカード会社44社の消費者向け無担保貸付の2010年12月末貸付残高は、7兆1,433億7,900万円となり、前年同月末比で2兆1,177億7,900万円の減少となった。

消費者向け無担保貸付の2010年12月末の貸付残高内訳は、消費者金融の貸付残高が3兆1,800億2,900万円、カード会社が3兆9,633億5,000万円。これを合計すると、7兆1,433億7,900万円となり、前年同月末の9兆2,611億5,800万円に比べて、2兆1,177億7,900円の減少となった。

日本貸金業協会によると、前年末比で2兆円強の減少になったことについては、さまざまな要因が考えられるという。まず、2010年6月に改正資金業法が完全施行され、借入総額を年収の3分の1以下に抑える「総量規制」が実施されたことが挙げられる。また、従来はカードローンなどを利用していた収入のない専業主婦が、配偶者の同意や配偶者の収入の証明書などがないと借入れを行うことができなくなり、借りづらくなってしまったこともある。

また、貸付における上限金利が20%となり、従来29.2%の金利をベースに貸付を行っていた事業者が、新しい金利に見合った貸付を行うため審査上の調整を行わなければならなくなり、貸付先が絞られるようになったのも貸付金額が減少した要因だ。

こうした、「借り手側と資金供給側の双方の状況の変化」(日本貸金業協会)により、個人向け貸金市場が縮小しているのが、実態といえそうだ。