ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ発表したAndroid 2.3 "Gingerbread"を搭載したスマートフォン「Xperia arc」。発売日も決まっていないXperia arcだが、本稿ではその実力を一足先に紹介している。今回はさらに強化されたマルチメディア関連機能について紹介しよう。
「Xperia arc」徹底解説!!
第1回 まずは外観デザインをチェック
第2回 独自ウィジェットでマルチメディア機能を便利に活用
第3回 さらに強化されたマルチメディア関連機能を試す
第4回 第4回 810万画素カメラの実力をチェック!!
HDMI経由で大画面テレビをディスプレイ代わりに
Xperia arcのハードウェアの新機能として、本体上部にミニHDMI端子を搭載した点が上げられる。HDMIケーブルでテレビと接続することで、Xperia arcの画面をテレビに出力することが可能となり、保存した画像や動画などを大画面で閲覧できる。
実際に液晶テレビ「REGZA 37Z9000」にHDMIケーブルで接続したところ、自動的にテレビの電源が入って入力がHDMIに切り替わり、Xperia arcの画面がテレビに表示された。ホーム画面がそのまま表示され、手元のXperia arcでフリックするとそのまま画面が切り替わるなど、大画面でXperia arcを操作できる。Xperia arcのホーム画面は縦型なので、画面の左右が大きく黒くなっているが、横画面対応のアプリを使った場合は、自動的に横画面になってテレビの画面一杯に表示されるようだ。
試しにTwitterアプリを起動してみると、表示が横向きになり、画面一杯にTwitterのタイムラインが表示された。同様にYouTubeアプリを起動してみると、大画面でYouTubeの動画が視聴できた。音声もテレビから出力されるので、テレビを見ているような気分でYouTubeが視聴できる。最近のテレビにもYouTubeなどの視聴機能が搭載されているモデルもあるが、Xperia arcの快適な操作性とキーボードで動画を検索して視聴できるのは便利だ。
もちろんメールやWebサイトの閲覧も可能。Xperia arcで撮影した画像や動画を表示することもできるので、撮影した画像や動画をすぐその場でにみんなで楽しむことができる。操作してみると、ビデオ視聴中にXperia arcでは画面下部に表示されるコントローラーが、テレビ画面には表示されないのも細かい点だがポイントが高い。
アプリを起動すると、横画面に対応しているものは横表示になる。動画再生してみると、Xperia arc側にコントローラーが表示されているが、テレビには表示されない。ただ、テレビとXperia arcの画面を見比べてみると、HDMI出力による遅れが生じているようだ |
HDMIでそのままテレビに出力しているため、Android用ゲームがそのまま出力できるのも面白い。人気ゲームのAngry Birdsを試してみたが、そのままテレビに出力しても違和感なく表示される。手元のXperia arcをコントローラーとして、据え置き型のテレビゲームで遊んでいるような気分にさせてくれる。もちろん、HDMI接続が必須なので、ケーブルの届く範囲でないとプレイできない。またHDMI経由で充電はされないので、Xperia arcの電池残量も気にする必要がある。だがケーブルを接続すれば特別な設定なしにすぐに大画面で操作できる感覚は楽しい。Xperia arcに内側カメラは搭載されていないが、HDMI経由で外側カメラを使ったテレビ電話という使い方もできそうだ。
DLNAサーバーソフトを搭載
次に紹介するのが、「メディアサーバー」アプリだ。このアプリはDLNAサーバーソフトで、アプリを起動して「メディアサーバー」機能をオンにすると、無線LANのネットワーク内で内蔵のコンテンツをPCやテレビなどと共有でき、ワイヤレスで表示できる。
DLNAクライアントがあれば、Xperia arc内に保存したコンテンツを閲覧できるが、REGZA 37Z9000では画像も音楽も動画も確認することはできなかった。動画はテレビ側にコーデックがないためとも考えられるが、JPEG画像が閲覧できなかったのは試作機だからなのかはちょっと分からない。いずれにしても、DLNAサーバーであればケーブルは必要なく、Xperia arcを充電しながらでも、別の部屋のPCでコンテンツをワイヤレスで確認する、といったことも可能になる。
モバイルBRAVIAエンジン
Xperia arcのマルチメディア関連機能として、ソニーの液晶テレビ「BRAVIA」のノウハウを投入した「モバイルBRAVIAエンジン」も紹介しておきたい。Xperia arcの設定にある「表示」からオン・オフが可能で、これを設定することで、ノイズリダクションやコントラストの階調補正といった機能が働き、動画の表示をより高画質化してくれる。
実際に試してみると、特に低画質のYouTube動画のような場合に効果が高いようで、映像がよりくっきりする。また、人肌や緑などの色の彩度が上がっており、よりリアルに見える。比較しないと分かりづらいが、効果はあるようなので、常時オンにしていても良さそうだ。