日本アイ・ビー・エム(以下、IBM)はこのほど、三井住友海上火災保険(以下、三井住友海上)のカスタマーセンターで利用する「お客さま相談システム」を刷新し、新システム「CONTACT-1」の運用を開始したと発表した。

新システムでは、カスタマーセンター向け顧客データベース「コンタクト履歴共通管理しシステム」を構築。これにより、顧客からの問い合わせ、保険契約内容の変更、保険金の支払いなど、三井住友海上の各部署に分かれていた顧客別の履歴情報を連携・集約することができるという。加えて、同社が保有する「お客さま名寄せデータベース」と連携させ、加入契約情報と集約した履歴情報を関連付けることで、顧客データの一元管理が可能となっている。

また、入電時に即座に顧客を特定できる「着信時検索機能」、過去の電話履歴を確認することで電話対応をスムーズに進められる「受発信履歴管理機能」などを提供することにより、電話対応を迅速かつ円滑に行うことができるとしている。

さらに、カスタマーセンターで受け付けた内容を営業拠点やサービスセンターと共有する機能も追加し、カスタマーセンターと営業拠点、サービスセンターとの情報連携を強化している。

システムの特徴として、「コンタクト履歴共通管理システム」にはIBMが保険業界で実績を持つ「コールセンター顧客管理モデル」と「コールセンターエンジン」を採用。短期間での開発を可能にするノウハウの活用と、「コンタクト履歴共通管理システム」と個別の業務アプリケーションの顧客データベースを二元的に管理する方法を採用することで、既存システムを生かしながら拡張性の高い新システムを効率的に構築できたという。

そのほか、各データベースの情報連携にはSOA(サービス指向アーキテクチャ)を採用。アプリケーションのプラットフォームを意識せず、既存システムとの結合が容易になると同時に、まだ連携していないデスクやセンターとの間で、データの一元管理を導入しやすい環境が整備されたとのこと。今後は、顧客データの連携先を広げていくことで、より一層の顧客データの一元管理を目指すとしている。