自動車保険の見積もり方法の変化
通販タイプの自動車保険が登場する前まで、自動車保険の見積もりは保険代理店の担当者に直接提示されていました。しかし、1998年に自由化を迎え、各社それぞれに保険料を設定して良いことになると、顧客と顔を合わせない通販タイプの自動車保険が登場します。通販タイプの自動車保険の見積もりスタイルは、「見積もりをとってみよう!」というお客さんがフリーダイヤルに電話をして、保険会社に見積もりを依頼。電話で10分程度やりとりをすると、保険料を案内してくれ、後日、書面で見積もり内容が届くといったものでした。
この電話での見積もりは今でも変わらずに続いています。特に「パソコン操作が苦手」「保険会社にいろいろ質問してみたい」「保険用語がわからないので一緒に内容を確認して欲しい」といったユーザーの支持を集めています。また、代理店担当者とアポを取らず、自分の好きな時間や休日にも見積もりが取れる点も魅力といえます。ただし、電話見積もりは1社ずつ電話しなくてはならず、手軽とは言え、時間がかかってしまいます。そこで、たくさんの保険会社をいっぺんに見積もりを取るために誕生したのがインターネット見積もりです。
インターネット見積もりで比較がカンタンに
電話見積もりがある一方で、通販タイプの各保険会社は自社のホームページで見積もりが取れるサービスを設けました。見積もり手順は電話見積もりと変わりありませんが、見積もりを取りたい人が自分で補償内容や保険金額を設定できるので、多くの支持を集めています。こちらもすぐに保険料が案内されて便利なうえ、あせって内容を決める必要もなく、自分でいろいろ出来るのが人気の理由です。ところが、「複数の会社の見積もりを取るのが面倒」という声も聞かれました。
そこで登場したのが、一回情報を入力するだけで、複数の会社の見積もりが取れる「一括見積もりサイト」です。いろんな保険会社にアクセスする必要がなくなり、入力が一回で済むのがポイントです。なによりも各保険会社の保険料がいっぺんにわかるのが最大のメリットと言えます。そして、最近では保険会社の見積もりや一括見積もりサービスが携帯電話で取得できるようになってきています。
これからの見積もりはモバイルサイトで!
いま各社が力を入れているのが携帯電話に対応したwebページでの見積もりサービスです。特に通販タイプの各社はおしなべて力を入れています。内容はパソコンで行う見積もりと特に変わりはありません。では、モバイルサイトを利用した見積もりのメリットとはどんなものでしょう?
■モバイル見積もりのメリット
- 外出先や移動中など空いている時間に手軽に済ますことができる
- 更新まで時間がなくてもすぐに見積もり可能
- 見積もり入力した情報を保存できいつでも確認できる
「煩わしい見積もりはシンプル済ませたい」「時間がないので手早く更新したい」…そんな層に受けているようです。
では逆にデメリットはないのでしょうか?
■モバイル見積もりのデメリット
- 手軽なぶん、内容を吟味しにくい
- 補償内容を比較する作業が面倒
- 契約までモバイルサイトで済ませられる分、実感が薄い
- 一社ずつ見積もりを取るのが面倒
このような内容が挙げられますが、日ごろから自分の補償内容を把握している人なら、さほどデメリットと感じる内容ではなさそうです。また最近では保険会社の専用ページとは別に自動車保険の一括見積もりサイトの携帯版も登場しています。自動車保険とモバイルの関係がますます深くなってきました。
モバイルサイトでここまで出来る!
では保険会社が用意しているモバイルサイトではどれほどのことが出来るのでしょうか?
■見積もり
自分の専用ページを作って情報を保存可能。補償内容の変更も随時OK。
■更新契約
1年間の満期を迎え、次年度の契約を希望する場合、モバイルサイトから更新することが可能。
■事故時の連絡
GPS端末に対応した機種の場合、事故現場の場所を正確に連絡することができる会社も。また事故時の対応Q&Aを用意している会社も。
■事故連絡
専用ページから事故の連絡をすることも可能。
■事故後の経過確認・対応確認
事故により示談になった場合、どのように対応が進んでいるのか専用ページで確認することが可能です。
■メール連絡サービス
事故対応の進捗状況などをメールで連絡してくれるサービスです。
以上のサービスは、全ての保険会社で行われているわけではありませんが、ゆくゆくは標準サービスになりそうです。今後はスマートフォンを使った新システムなども登場してくると見られています。これから、さらに便利な見積もり、保険会社選び、契約に期待できそうです。