Internet Explorer 9がついにリリース候補版に |
米Microsoftは2月10日(現地時間)、「Internet Explorer 9」(以下IE9)のリリース候補(RC)版の提供を開始した。対応OSは、Windows 7 32-bit/ 64-bit、Windows Vista 32-bit/64-bit、Windows Server 2008 32-bit/64-bit/R2 64-bit。40言語をサポートしており、「Beauty of the Web」からダウンロードサイトにアクセスできる。
「(テストケースではなく) Webユーザーが実際に使用しているWebサイトを高速に」をガイドラインに、IE9にはベータプログラムを通じて、スクリプトエンジンの高速化、ネットワークキャッシュのチューニング、コンパイラの最適化などが施されてきた。メモリーの使用量がベータ版よりも少なくなり、こうした改善はパフォーマンスの向上とともに、ノートPCのバッテリー駆動時間の延長にも貢献している。
RC版では17,000以上のフィードバックが反映されており、UX (ユーザー体験)にもいくつかの変更が見られる。まずWebページの表示領域がさらに拡大された。Webページ表示領域を大きく取っているGoogle Chromeよりもバーひとつ分ぐらいIE9の方が広い。またホットキーが利用可能になり、例えば表示しているWebサイトでテキストを選択し、コピーした後にCtrl+Shift+Lを押すと、自動的に選択テキストの検索が実行される。
もっとも手を加えられたのがタブの操作方法だ。複数のタブを開いている状態で、あるタブを閉じるには、これまでそのタブを表示に切り替えた後にタブの×ボタンを押すか、Ctrl+Wを用いていた。RC版では、タブの上にカーソルをホバリングさせると、表示状態ではないタブでも×ボタンが現れ、表示に切り替えることなくすばやく閉じられる。
IE9ではアドレスバーの横に開いているタブが並ぶ。IE9のベータユーザーのテレメトリーデータでは、同時に開いているタブが5つ以下であるセッションが全体の97%であり、アドレスバーと並べても5つ以下ならばタブは判別しやすく収まる。だが数多くのタブを同時に開くパワーユーザーから、タブバーを独立させるべきという意見が根強く寄せられた。そこでRC版では、タブの表示を「アドレスバーの横」「独立したタブバー」にわずか2クリックで切り替えられるようにした。
サイトの固定が強化され、複数のページをまとめて固定できるようになった。異なるサイトのページもまとめられるので、日常的に巡回するニュースサイトやソーシャルサイトなどをピンしておけば、ワンクリックで簡単にアクセスできるようになる。
プライバシー保護団体などが作成したTracking Protection(トラッキング対策)用のリストが同日に公開された。Tracking Protectionは、Webサイト閲覧情報を広告ネットワークなどに伝えるのをユーザー自身がコントロールする機能で、オプトアウトのリストを自身で作成または外部から導入する仕組みだ。リストはアドオンマネージャーで管理する。