~前回までのあらすじ~
イギリスの航空会社「British Airways(以下、BA)」さんから、「ビジネスクラスに乗って冬のロンドンを旅しませんか?」というお誘いを受け、ほとんど着の身着のまま日本を飛び立った独身ライター・山田井。それにしてもBAっていったいどんな会社なのか? がぜん興味が湧いてきた筆者は、さっそくBA本社に行ってみることにした――。
ということでやってきましたBA本社……ではなく、まず伺ったのは本社から少し離れた場所にあるエンジニアリングセンターです。
ここはBAのエンジニアたちが新たな飛行機関連の機器開発と設計に取り組む施設で、もちろん通常は入ることが絶対に許されない極秘の建物! 今回は特別に許可をいただき、見学させてもらうことにしました。Wooo! オラなんだかワクワクしてきたぞ!
まずはクラブワールド商品開発担当者 クリストファー・スタッブス氏から、最近のBAの取り組みについてお話を伺うことに。
それによると、BAは2000年に世界で初めてフルフラットのシートを開発し、ビジネスクラスに導入。その後も利用客の要望を反映した改良を重ね、2006年に現在のシートが全機に導入されたのだといいます。なるほど、今回の旅でBAビジネスクラスの快適さには度肝を抜かれましたが、あそこに至るまでには10年以上の試行錯誤の積み重ねがあったわけですね。
またBAはそこにも満足することはなく、現在は「ESPACE」というプロジェクトを進行中とのこと。これは「Economy Seat Programme And Cabin Enhancements」の頭文字をとったプロジェクト名で、シートやインテリア、アメニティやケータリング関連について一新し、2012年までに現在運航している一部の機体の内装も入れ替えることを計画しているのだとか(ちなみに今後導入予定の787とA380、これから運航を開始する777-300ERでは、新しい内装を採用済み)。
折りしも2012年はロンドン五輪開催の年。タイミング、完璧です。
さて、そんなBAの新しいシートですが、今回はなんと特別におニューのファーストクラスシートを拝見できることに!
案内された先は、まるでちょっとした体育館ほどの広さがある座席の開発ルーム。本邦初公開ですので皆さん刮目してご覧ください!
飛行機のシートって、こうやって開発されているんですね。当たり前だけど完成品しか知らないので、むき出しの配線や布を取った中身を見られるのはとても新鮮です。
さて、ではいよいよ本命のファーストクラスシートを大公開しますよ!
うおおおお……! すごい! なんていうか、ビジネスクラスはまだ現実味があったのですが、こっちはもう完全に別世界です。
ファーストクラスに乗るのはさすがによっぽどのことがないと無理かと思いますが、その名に恥じない特別シートであることを我が身をもって実感することができました。もう思い残すことはありません……。
……と思ったら、本番はここからでした。
エンジニアリングセンターを出て次に連れて行ってもらったのは、BA本社!
建物の中に観葉植物が立ち並ぶエコな会社でした。
そして本社内には、BAのこれまでの歴史を記録した博物館が!
写真とともにさっそく見ていきましょう。
こちらでは紅茶とお菓子をいただきながら、BAの歩みについてお話を伺うことができました。なお、博物館を管理されている方はBAを定年退職されたOBなのだとか。お話からは、BAへの誇りがひしひしと感じられました。社員に愛されている会社なんですね。
さて、博物館内に何が展示されているのかというと、過去に使われていた機体や機内食、乗務員の制服や広告のデザインなど盛りだくさん!
こちらは写真でどうぞ。
――ということで、BAの様々な取り組みや、現在に至るまでの歴史などを知ることができた今回の取材。
長い伝統に裏付けされたハイクオリティなサービスの数々は、ぜひ実際の機内で体験してみてください。