米Googleは2月9日(現地時間)、最新プラットフォームである「Android 2.3.3」を開発者/ユーザー向けにリリースした。2.3.3での主要な新機能の1つはNFC(Near Field Communication) APIの拡張で、新たに双方向でのタグの読み書きやP2Pでの他のNFCデバイスとの直接通信がサポートされた。
Android 2.3.3の主要機能についてのアナウンスはAndroid Developers Blogが、新APIの詳細な解説や2.3.3での変更点はリリースノートが記している。NFCは日本では「おサイフケータイ」などの名称で近接通信を介したタグ情報のやり取りを可能にする世界標準の通信規格で、Felica規格に対する上位版にあたる。今後の実装で、NFCをサポートした端末であれば、これら世界で利用されている各種NFCサービスをそのまま利用できることになる。今回NFCで拡張されたポイントは主に下記の3点になる。
- NFCの読み/書き両方に対応した包括的なAPIの提供で、今日のほぼすべてのNFCタグ標準をサポート
- NFCタグが通信圏内に出現した際、関連アプリをいつ/どのようなタイミングで呼び出すのか、より豊富な制御方法を提供する「Advanced Intent Dispatching」
- 他のNFCデバイスとのP2P通信のための限定的なサポート
従来のAndroid 2.3ではタグ読み出し用のAPIが提供されていただけだが、2.3.3では双方向通信に対応。また検知したタグの種類に応じてアプリを呼び出す方法が明示化されたことで、呼び出すアプリの実行優先度を設定できるなど、柔軟な運用が可能となる。
最後の項目はNFCサポートで最も注目される技術の1つで、P2Pモードとも呼ばれる。NFCデバイス同士を近接させることで双方向通信が可能となり、ファイル交換が行える。これで互いのプロファイル情報を交換することで、日本では一般的な赤外線通信に代わり、互いのメールアドレス交換などが簡単に行えるようになる。