カメラ関連の展示会「CP+」が神奈川県・パシフィコ横浜で開幕した。ソニーブースでは、発表したばかりのコンパクトデジタルカメラなどの新製品を並べるほか、高速連写や3Dなどの機能をアピールしていた。
ソニーブースでは、新たにデジタル一眼レフカメラ「α」シリーズの未発表機種が出展されている。α55/α33に搭載されている半透過ミラー「Translucent Mirror Technology」を搭載し、この機種用に新規開発されたという「"Exmor" APS HD CMOS」センサーを採用する。Translucent Mirror Technologyによるライブビュー時にも動画撮影時にも高速な位相差AFが可能で、α55の上位に当たる中級機の位置づけになるという。
現時点ではそれ以上のスペック、発売日などの詳細は明らかにされておらず、2011年中の発売になるそうだ。時期的には春モデルには間に合わないと思われるため、夏以降の発売になりそうだ。展示ではスケルトンのコンセプトモデルとなっており、新たな標準ズームレンズ、開発中の望遠レンズ500mm F4 G、縦位置グリップ、外付けフラッシュとともにケース内展示されている。
NEXシリーズで採用されたEマウントに関しては、会期前日の8日に、マウントの仕様を4月から無償開示することが明らかにされており、タムロン、カール ツァイス、コシナ、シグマが参加を表明していた。マウント仕様に関しては「まだ公開されていない」(ブース説明員)ため、今回の展示は各メーカーが独自に設計したものとのことで、4月の開示以降、順次製品化される見込みだ。公開される仕様は現在検討しているとのことで、基本的には電子接点の機能やプロトコルなどのスペックが開示され、それを使った製品をさらにソニーが審査する、という形になるそうだ。各社の新製品はまだ未発表だが、今後のレンズラインナップ拡大を期待したい。
ソニー自身のEマウントレンズラインナップでは、昨年のイベント「フォトキナ2011」で公開された新レンズのうち、今年発売予定のモデルに関しては新たに焦点距離が示された。広角単焦点が24mm、望遠ズームが55-200mm、マクロが30mm、ポートレートが50mm(いずれもレンズ表記の焦点距離)で、「開発が進んでいることを示すため」(同)に情報公開されたという。ただ、まだ発売日その他の詳細は明らかにされていない。
ソニーのEマウントレンズ。いずれも参考出品で、左からバウンス対応の外付けフラッシュ、カール ツァイスブランドの広角単焦点レンズ(24mm)、広角ズームレンズ、マクロレンズ(30mm)、Gレンズ |
同ポートレートレンズ(50mm)、中望遠単焦点レンズ、望遠ズームレンズ(55~200mm)。焦点距離が明らかにされた4レンズが今年発売予定 |
新製品としては、コンパクトデジカメ「サイバーショット DSC-HX9V」「DSC-HX100V」を展示。HX9Vは、35mm判換算24~384mmの光学16倍ズームGレンズを搭載し、有効1,620万画素1/2.3型裏面照射型「Exmor R」センサーを採用する。最速約0.1秒の高速AF、フルHD動画撮影機能、動画撮影時の強力な手ブレ補正機能、GPS、スイングパノラマといった機能を備えており、さらに3D画像を撮影できる3つの3D撮影モードも搭載している。
DSC-HX100Vは、一眼スタイルの高倍率ズーム機で、35mm判換算27~810mmの光学30倍ズームカール ツァイス「バリオ・ゾナーT*」レンズを搭載する。撮像素子や約0.1秒AF、フルHD動画、手ブレ補正、スイングパノラマ、GPS、3D撮影モードなどの主要な機能はHX9Vと同等で、フォーカスまたはズーム操作ができるマニュアルリングやNDフィルタを搭載する。
業務向けでは昨年末のinterBEEでも出展されていたスーパー35mmCMOSセンサー搭載NXCAMも展示。特に変更はないそうだ |
こちらはすでに発売済みのデジタルシネマカムコーダー「PMW-F3K/F3L」 |
ブースではそのほか、α55/33、α900の3機種の中から1台を、来場者に貸し出すサービスも実施している。30種類の中から1本のレンズも同時に貸し出し、1時間の間、会場内で自由に撮影できる。身分証明書を持ち込めば誰でも無料で利用が可能だ。