内閣府は8日、1月の景気ウォッチャー調査の結果を発表した。3カ月前と比較した景気の現状に対する1月の判断DIは、前月比0.8ポイント低下の44.3となり、3カ月ぶりに低下した。大雪や寒波の影響で客足が鈍ったことや、家電エコポイント制変更にともないテレビなどの販売が落ち込んだことで、マインドが低下した。同調査で示された景気ウォッチャーの見方は「このところ持ちなおしの動きがみられる」に据え置かれた。

家計動向DIは、前月比で2.1ポイント低下し42.4。「小売関連」は前月比1.5ポイント低下の42.5、「飲食関連」は同6.7ポイント低下の38.9、「サービス関連」は同2.9ポイント低下の42.9。「住宅関連」は同0.1ポイント上昇の44.9となっている。特に「飲食関連」のマインド低下が目立っている。「悪天候の影響で青果物の入荷が少ない上に価格相場も高くなっているため、商品は売れていない」(東海/スーパー)、「家電エコポイント半減による需要の縮小や積雪の影響により、来客数が減少している」(東北/家電量販店)という。

企業動向関連は0.2ポイント上昇の44.3。製造業・非製造業別にみると、製造業(45.1)は前月比0.6ポイントの上昇、非製造業(43.9)は同0.4ポイント上昇となっている。原材料価格の上昇や受注単価の下落に伴う採算悪化への懸念も残るが、「取引先の業績が非常に良く、このところ国内と合わせて外需向け産業機器が約3割、工作機械も2割程度受注が増えてきている。大型の引き合いが多くなってきている」(北関東/金属製品製造業)といった声が聞かれた。

雇用関連DIは5.6ポイントも上昇し56.7に。求人数が増加。一部では製造業務に加え事務系の派遣求人にも回復がみられたという。

2~3カ月先の景気の先行きに対する判断DIは前月比で3.3ポイント上昇の47.2。3カ月連続の上昇だが、横ばいを示す50を下回るのは44カ月連続となる。家計動向関連は前月から3.3ポイント上昇の46.6、企業動向関連は3.2ポイント上昇の46.6、雇用関連は4.0ポイント上昇の52.9だった。ここでも雇用関連の上昇が目立っている。