資産課税(相続税/贈与税)の税制が改正される見通しだ。現在、相続税が掛かる割合は相続全体の4%になるが、国会で行っている相続税増税の審議が通ると、相続税負担割合は倍以上になるとも言われている。

ポイントは「基礎控除額の引き下げ」だ。基礎控除額が「5,000万+1,000万×相続人」から「3,000万+600万×相続人」に変更されることで、例えば4人家族で相続人3人だと、基礎控除額は8,000万円から4,800万円に引き下げられ、4800万円以上の資産から相続税がかかることになるという。また、相続税最高税率も50%から55%に上がる。

これらの改正により、首都圏に土地を持っている普通のサラリーマンでも相続税が掛かってくる可能性が懸念されている。一方、ハイアス・アンド・カンパニーが行った「相続に関する意識調査」によると、税制改正については約半数が知っているものの、改正の内容まで「知っている・だいたい知っている」と回答した人は全体の約2割にとどまる。

相続税改正を前に知っておきたい相続のポイントについて、同社に聞くと「親の資産を把握し、相続税がかかり、対策が必要であるかどうかを確認しておくことです。親子間ではやり取りが難しいので、第3者の診断を上手に活用することもポイントです」とのこと。

しかし、同社の調査では親と相続に関して「話したことがある」は4人に1人(27.5%)という結果に。話をしたことがない理由としては、「相続について意識したことが無いから」(36.2%)と一番多く、次いで「まだまだ先のことだと思っているから」(31.2%)、「親が死んだときの話を聞きにくい」(21.2%)、「遺産を目当てにしているようで話を出しにくい」(19.1%)の順だった。また、親の資産額を「把握していない・あまり把握していない」は74.4%に上った。とはいえ、万が一の場合に焦ることがないように、今から対策を練っておくことも必要そうだ。