ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズが1月に発表したAndroid搭載スマートフォン「Xperia arc」。まだ発売日も決まっていない同端末を一足先にさわってみた。前回は外観デザインについて解説したので、今回は独自のUIについて解説する。なお端末自体は国際版であり、国内で登場する段階では変更されている可能性がある。

Xperia arc

「Xperia arc」徹底解説!!

第1回 まずは外観デザインをチェック
第2回 独自ウィジェットでマルチメディア機能を便利に活用
第3回 さらに強化されたマルチメディア関連機能を試す
第4回 第4回 810万画素カメラの実力をチェック!!

新しいウィジェット機能を搭載

ホーム画面には、ソニー・エリクソン独自のウィジェットが用意されている。Gingerbreadでは、ウィジェットの機能が拡張されており、ホーム画面上での機能がより充実したからだという。

特徴的なのは、前モデルにも搭載されていた「Timescape」ウィジェットと、3つのマルチメディア用ウィジェットだ。

Timescapeは、SNSなどの情報を1カ所に集約してパネルが降り積もるようなイメージで一覧表示してくれるアプリ。Xperia arcに搭載されるTimescapeでは、発着信履歴、SMS、Twitter、Facebookといったコミュニケーション履歴が一括して表示されるので、素早く情報にアクセスできる。

Timescapeウィジェット。この状態で指を上下にスライドさせれば前後のタイムラインが確認できる

マルチメディア用ウィジェットは、前掲のインタビューでは「メディアペイン」と表現されていた。このウィジェットは、「ミュージックプレイヤー」「写真とムービー」「メディアショートカット」という3つのウィジェットをホーム画面の1ページにまとめて設置することで、メディアデータに素早くアクセスすることができるようにするというもの。

メディア用のウィジェット。上部は音楽再生ウィジェットで、再生ボタンを押せばそのまま音楽が再生できる。中央のメディアウィジェットでは、画像と動画表示され、Timescapeのように指を上下させると、画像が回転する。一番下は音楽や画像、ビデオのアプリを起動するためのショートカット。もちろん、ウィジェットなので、ページを分けて個別に設置することも可能

ミュージックプレイヤーウィジェットは、保存されている音楽データにウィジェットからアクセスできる。最後に再生した楽曲が表示されており、再生、曲飛ばしがウィジェットから行えるほか、再生ボタンを押すとウィジェットの下部にプログレスバーが表示され、現在の再生位置を示してくれる。ウィジェットのジャケット写真の部分にタッチすると、ミュージックプレイヤーアプリが起動し、さらにプレイリスト再生やプレイリストの作成など各種操作が行える。再生・停止、曲送りだけであればウィジェットだけで操作可能だ。

写真とムービーウィジェットは、microSDカード内に保存された画像や動画データなどをサムネイルで表示できる。ウィジェット上で指をスライドさせると、回転するようなインタフェースで画像を確認し、見たいデータにタッチすると「ギャラリー」アプリなどのアプリが起動して全画面で閲覧できる。ウィジェットは大小2つのサイズから選択でき、「大」を選択すると、ホーム画面全体にウィジェットが表示される。ほかのウィジェットと並べて使用するのであれば「小」が良いだろう。

メディアショートカットは、音楽、画像、動画のそれぞれのアプリを起動するショートカットウィジェットだ。

この3つのウィジェットを並べることで、ホーム画面から素早くメディアにアクセスでき、各種メディア機能を、アプリを起動することなくホーム画面だけで操作を完結することができる。

なおこのウィジェット機能の追加にあわせて、ホーム画面の操作性にも工夫が加えられている。例えば、ホーム画面上で指2本を使ったピンチイン操作をすると、ホーム画面上のアイコンが1画面上に縮小表示され、ウィジェットにタッチすると、そのウィジェットが設置されたホーム画面のページが表示される仕組みだ。これにより、たくさんのウィジェットをホーム画面に設置している場合に、素早くウィジェットにアクセスできるようになる。

ホーム画面でピンチインするとウィジェットが1画面に表示される。ホーム画面が縮小表示されるのではなく、ウィジェットの一覧から選択する形になる

このほか、ホーム画面のカスタマイズ機能を利用して、ホーム画面に設置したアプリのショートカット同士を重ね合わせることでフォルダを作成することもできる。iOSにも搭載されている機能ではあるが、操作は分かりやすく快適だ。

本体下部にはデフォルトで5つのアイコンが並んでおり、左からメディア、メッセージ、アプリ一覧、電話帳、電話の各機能が呼び出せる。メディアアイコンはフォルダになっており、タッチすると中に含まれるショートカットがポップアップする

また、アプリ一覧での並べ替えにも対応。アルファベット順やよく使うアプリ順、最近インストールしたアプリ順といった並べ替えが可能。アプリ一覧でもアプリが見つけやすい配慮が追加されている。

ホーム画面。左下のアイコンタッチで並び替えが行える

ホーム画面には独自のUIを採用しており、素のGingerbreadではないが、動作は快適で滑らか。試用機の段階でも特に引っかかりもなく、高速に動作するのでストレスはなさそうだ。次回はHDMI出力を利用してテレビとの連携利用を試してみたい。