キヤノンは7日、都内にてデジタルカメラ新製品発表会を開催。コンパクトデジタルカメラ「IXY」の新しいコミュニケーションパートナーに任命された吉高由里子さんも登場し、会場を盛り上げた。

デジタル一眼レフカメラ2機種、コンパクトデジタルカメラ7機種、レンズ3機種を発表したほか、超望遠ズームレンズ1機種が開発発表された

キヤノンカメラの原点ともいえる、「ハンザ・キヤノン」

カメラ全体で「7年連続No.1」

キヤノンマーケティングジャパン 代表取締役社長 川崎正己氏

2010年はコンパクトデジタルカメラで1位、デジタル一眼レフカメラで1位、デジタルカメラ総合で1位、レンズで1位、そしてビデオカメラを含めたカメラ全体でも1位――。発表会の冒頭で、競合メーカーとのシェア争いに打ち勝ったことを説明したキヤノンマーケティングジャパン 代表取締役社長 川崎正己氏は「プロ用機材で培った技術を、普及機やコンパクトデジタルカメラにも落としこんでいるのが強み。携帯電話などのカメラ機能の進化、ミラーレスの台頭など市場環境が変化する中、カメラ本来の楽しさをたくさんの人に伝え、市場の拡大と発展に尽力したい」と語り、誰でも簡単に思いどおりの写真が撮影できるよう工夫した新製品をアピールした。

新たに発表されたのは、シリーズ合計のデジタル一眼レフカメラにおけるシェアが26%となり、「国民的カメラ」(キヤノンマーケティングジャパン 専務取締役 佐々木統氏)となっている「EOS Kiss」シリーズの「EOS Kiss X5」と、妹分の「EOS Kiss X50」。

キヤノンマーケティングジャパン 専務取締役 佐々木統氏。一眼のメリットとして「シャッターチャンスに強いこと。そして豊富なレンズバリエーション」を挙げ、「プロ、ミドル、エントリーと、充実のラインアップで攻勢をかけていく」と力強く語る

キヤノン 常務取締役 イメージコミュニケーション事業本部長 真栄田雅也氏は、キヤノンのデジタルカメラを支える「光学技術」のほか、新たな可能性を秘める「動画機能」について説明。「EOSムービーは、映画やCM撮影にも使用され好評。フルHD対応機種を増やし、静止画同様に動画も最高画質を追求していきたい」

プロ機で採用された技術を普及機にも落としこむ

フルHD動画搭載機種

EOS Kiss X5では、従来のAE(自動露出補正)、AF(オートフォーカス)、AWB(オートホワイトバランス)、ALO(自動階調補正)のほか、新たに「ピクチャースタイル AUTO」を加え、撮影シーンに合わせた最適な撮影が簡単にできる「シーンインテリジェントオート」を新採用したほか、力を入れているという「動画機能」も充実。フルHD(1920×1080)に対応するだけではなく、あらかじめ設定した秒数を録画し、撮影したシーンをBGM付きで連続再生することでショートムービーを作成できる「ビデオスナップ」もEOSシリーズとしては初めて採用された。

バリアングル液晶を採用した「EOS Kiss X5」

全自動撮影機能「シーンインテリジェントオート」を新たに採用した

EOS Kissでは「最も重要なターゲットはファミリー層。さらにコンパクトデジタルカメラからのステップアップ層が購入するケースが多い」(佐々木氏)と言い、"ステップアップ"ユーザー向けに開発されたのが、X5の下位機種である、EOS Kiss X50。ブラックとレッドというEOSシリーズ初の2色展開とするほか、通常のレンズキットに加え、ボケ味を楽しめる単焦点レンズを付属する「こだわりスナップキット」もラインアップ。「こだわりスナップキット」初回1万本には、カメラ女子に人気の写真家・市橋織江さんの写真が掲載されている「表現セレクトブック」と「キヤノンフォトサークルウェブ1年間無料体験」をセットするなど、若年層獲得のための仕掛けも用意している。

直感的な操作ができるようにこだわったという「X50」の操作系

若年層や女性ユーザーを狙い、レッドも用意した

もちろん、「EOSを名乗る以上、基本性能に妥協はない」と佐々木氏が語るとおり、APS-Cサイズ1220万画素CMOSセンサー、常用ISO感度最高6400までの高感度対応、最高約3コマ/秒の連写性能なども低価格ながら実現している。

EFレンズ新製品。3Dシミュレーション技術や蛍石を2枚使用することなどにより、報道現場からの要望も多いという「軽量化」を実現。超望遠シリーズを強化していくという

開発発表された「EF200-400mm F4L IS USM エクステンダー 1.4×」

コンパクトデジタルカメラとしては、IXYシリーズの新しいフラッグシップモデル「IXY 31S」など7機種が登場。高感度センサーと映像エンジンDIGICを連携させることにより、高画質を実現する「HS SYSTEM」、人物のほかに動物や乗り物などの動く被写体にもピントと露出を合わせ続ける新機能「主役フォーカス」、32シーンを自動で判別する進化した「こだわりオート」などをアピールしていた。

キヤノン初のGPS搭載機「PowerShot SX230 HS」。「ロガー機能」も搭載されている

大画面タッチパネル採用の「IXY 31S」

「主役フォーカス」は、犬など人物以外にも対応する

関連アクセサリーも多彩で、"カメラ女子"を意識したストラップも

新製品は2月9日より開催される「CP+」で展示予定

EOSムービーのスペシャルセミナーも実施される

キヤノンのデジタル一眼レフカメラのラインアップ

「EOS Kiss」新CMのテーマは「普遍の愛」。人間だけではなく、動物の親子も登場する

吉高由里子「日本の四季を撮りたい!」

さらに会場では、明るさ、親しみやすさ、華やかさを併せ持ち、幅広い層に訴求できる人物として、IXYシリーズの新しいコミュニケーションパートナーに任命された吉高由里子さんによるトークショーも実施。IXY 31Sを贈呈された吉高さんは「つるっとしていて上品です」と笑顔を見せ、今年撮りたいものは「日本の四季。積極的に記録していきたいです」と抱負を語っていた。

「IXY持っていくしー!」というキャッチフレーズをハニカミながら披露し、新製品をアピールしていた吉高由里子さん