ソニーは、動画撮影時の手振れ補正性能を強化した、高倍率ズームレンズ搭載のデジタルスチルカメラ「サイバーショット(Cyber-shot)」のニューモデルとして「DSC-HX9V」と「DSC-HX100V」を発表した。両製品ともオープン価格。発売時期と推定市場価格は、HX9Vが3月11日発売で4万5000円前後、HX100Vが4月8日発売で5万円前後。また、カメラが自動で撮影するオプション、パーティーショット「IPT-DS2」も4月8日発売。こちらもオープン価格で、推定市場価格は1万円前後。
今回のモデルは、裏面照射型CMOSセンサーを搭載した高倍率ズームデジタルカメラ。撮像素子は、有効1620万画素の1/2.3型裏面照射型「Exmor R」CMOSセンサーを搭載した。
ハンディカムで培った技術を用いた高性能手ぶれ補正機能は、縦・横方向の手ブレだけでなく、回転方向の手ブレ補正にも対応した。オートフォーカスは最速約0.1秒の速さを実現。被写体の距離を推定することで望遠撮影でも素早やいピント合わせが可能としている。フルハイビジョン(1920×1080)のプログレッシブ方式(60p)の動画記録に対応し、動画再生時に残したいシーンを静止画として保存することが可能。また、動画撮影中のシーン認識にも対応し、追尾フォーカス機能も搭載している。
マニュアル操作では、自分好みの設定をカメラに記憶できる「MR(メモリーリコール)」モード、ホワイトバランスシフト機能、進化したカスタムボタンなどを搭載した。
シーンに合わせ、連写画像を合成することで高画質な静止画が得られる「プレミアムおまかせオート」は、従来認識シーン(AUTO・人物・逆光&人物・夜景&人物・夜景・逆光・マクロ・風景)に加えて、赤ちゃん・スポットライト・低照度の3シーンが追加された。さらに、被写体やカメラの動きを検出するコンディション認識と組み合わせることで、静止画では33パターンのシーンの認識が可能になり、さらに多くのシーンで高画質な静止画撮影が可能となっている。また、逆光認識時のHDR(ハイダイナミックレンジ)処理時の合成枚数が2枚から3枚に進化し、逆光撮影時の快調表現がより自然になっている。
そのほか、カメラを一振りするだけでパノラマ画像を作成する「スイングパノラマ」、3D静止画などが撮影できる3D撮影モード、位置情報と方位情報を同時に記録できるGPS・コンパス機能などを搭載、かざしたり置いたりするだけで、画像転送が可能な「TransferJet」に対応している。
HX9Vが薄型ボディなのに対し、HX100Vはしっかりとしたグリップを備える一眼レフタイプのボディとなる。レンズはHX9Vが16倍ズーム(24~384mm相当)のソニー製「Gレンズ」、HX100Vは30倍ズーム(27~810mm相当)のカールツァイス「バリオ・ゾナー T*」レンズを搭載する。
液晶モニターはどちらも約92.1万ドット3.0型ワイド「エクストラファイン」液晶を搭載するが、HX100Vはマルチアングル方式を採用しており、様々なアングルでの撮影が快適になる。合わせてHX100Vはファインダーの表示を自動で切り替えるアイセンサーも装備する。
そのほか、HX100VはマニュアルリングやNDフィルターを搭載する。マニュアルリングはフォーカスとズームの切り替えが可能で、マニュアルフォーカス時には表示を約7.5倍に拡大することで細かなピント合わせが可能。NDフィルターはメニューからの操作で光量を約3EV落とすことができ、晴天時の外でも長時間露光や開放絞りの撮影を可能にした。
ボディサイズは、HX9Vが104.8(W)×59.0(H)×33.9(D)mm、重さ約215g(本体のみ)、HX100Vが121.6(W)×86.6(H)×93.1(D)mm、約525g(本体のみ)となっている。
また、オプションで用意されるパーティーショット「IPT-DS2」は、HX9VやHX100Vなどと組み合わせることで、被写体の顔を見つけ出し、自動で構図とタイミングを考えて撮影する。新たに専用スタンドが同梱され、より自然なアングルからの撮影を可能とした。