すっかり定着した「朝活」という言葉。朝は頭がよく働くとか、仕事の効率が断然上がるとか……実にいい話が多い。私も「朝活で人生を変えてみせる」と何度もチャレンジしてはいるが、どうにも続かない。あきらめかけていたら「スリープトラッカー使ってみますか」と声がかかった。そう、眠りが浅い時を狙って"やさしく"起こしてくれるという噂のハイテク腕時計だ。早速試してみることにした。
浅い眠りのときを見計らってくれる"やさしさ"が凄い
届いたのは最新モデル『スリープトラッカー プロエリート』。女性用モデルもあるが、こちらはブラックとブルーのツートンカラーのタイプ。一見普通の腕時計だがその"能力"はすごい。簡単にいうと、睡眠のサイクルを測定して、眠りが浅いときを狙って"やさしく"目覚めさせてくれるすごい時計なのだ。
まずは睡眠のメカニズムを簡単に知っておこう。人は寝ている間に眠りが深い「ノンレム睡眠」と浅い「レム睡眠」を繰り返している。だいたい90分といわれるこの睡眠サイクルで起きるのに適しているのは「レム睡眠」。眠りが浅いため、あまり不快を感じずに目覚められるそうだ。
このハイテク腕時計の心臓部といえるのが、本体裏側の「加速度センサー」。ここで浅い眠りのときに起こる体の動き(通常30秒以内の動き)を記録。レム睡眠を判別し、設定した起床時間の前後のいちばん眠りが浅いタイミングでアラームを鳴らしてくれる。なぜそんなことが可能なのか、文系人間の私には到底理解できないが、この小さな装置がすごい頭脳を持っていることだけはわかった。
睡眠時間が少ない朝も「ふつう」に起きていた
さて準備。「起床時間」「アラームウィンドウ」「入眠時間」の3つの設定が必要だ。「起床時間」はとりあえず4時に設定。アラームはサウンドかバイブレーション、またはその両方から選べる。隣に寝ている娘(4歳)を起こさないようバイブ設定にした。入眠時間は「入眠するだろうと思われる時間」の30分後に設定する。左下のボタンを長押しでワンタッチ設定(30分後の設定)もできる。
「アラームウィンドウ」は「ほぼ目覚めている状態」を探す時間の幅を決める画面。私はデフォルト値の「20分」のまま使用。4時にアラーム設定しているので、3時40分から4時の20分間で「最適な時間」を探して起こしてくれることになる。
さて、このスリープトラッカーを装着して寝たのは7晩。毎晩続けて使用したかったのだが、「娘を寝かしつけているうちに自分も"寝落ち"」という失態が何度かあり、とびとびでの使用になってしまった。起床時間は、入眠時間や、その日の体調に合わせて設定した。
さて、「目覚め」の感想。4時に設定した初日、ブルブルと腕時計が震えて起きるという経験は初めてだ。時計を見れば「3時50分」。設定時間より早く"起こされる"のはどうも不思議な感じ。寝起きは「すばらしく爽快!」というほどではないが、辛さをいつもほど感じない。
使用していくうちにさらに気づいた。深く眠っているときに起こされたときの、頭がズトーンと重いような不快感、アレを感じることがなくなったのだ。それに睡眠時間が短いときでも、いつもと同じ感覚で「ふつう」に起きることができている。つまり寝起きが“安定”しているのだ。ボーっとした時間もほとんどないので、起きてから娘が起きるまでの1、2時間が目一杯「朝活」に使える。メールチェックにその日のTo Doリストの確認、ニュースチェック……。日によっては、英語の勉強にも時間を充てることもできた。
ストレス度で睡眠に違いが!
このスリープトラッカー、自分の睡眠を見直すこともできる。睡眠のデータをPCの取り込むことができ、自分の睡眠サイクルを目で確認できるのだ。なんだか自分の「眠り」を見せるのは寝顔を見せるようで(?)恥ずかしいが……。
縦に入っている区切りは「ほぼ目覚めている状態」。平均的な睡眠パターンとか理想の睡眠パターンとか、比較できるデータはないが、どう見てもバラバラで乱れた感じはする。規則正しく質の良い睡眠とはいえなさそうだ。
さらに見ていくと「なるほど」という発見も。仕事に追われているときの睡眠では「ほぼ目覚めている状態」の回数がやけに多い。逆に金曜、土曜は「あすはゆっくりできる」という安心感からか深い眠りがほかの日より長く続いている。データ取り込みのときには、睡眠に影響しそうな自覚的な要因として昼寝、夜食、アルコール、カフェイン、たばこ、運動などについてその有無の記録やコメント入力もできる。この作業を続ければ、睡眠の質を意識することで生活が改善できるはずだ。
というわけで7晩のスリープトラッカー体験だったが、目覚めが良くなるだけでなく、生活習慣の見直しもできる優れモノだと感じた。ただ、もう少しディスプレイが分かりやすい方がいいし、睡眠データをどう見たらいいかもぜひ教えてほしいところかも……。とはいえこのハイテク腕時計のおかげで私の「朝活」が軌道に乗りつつあるのは間違いない。ぜひ、水色のボディがキュートな女性用を使ってみたいものだ。
正規価格は2万4,480円。これが高いか安いかは、"必要度"で判断が分かれるところだが、少なくとも「いろいろ試してもどうにも寝起きが悪すぎる」という人なら試してみる価値があるのではないだろうか。そういえば間もなくバレンタインデー。寝起きの悪い彼氏やダンナ様に困っている人は、チョコと一緒にプレゼントしてみるのもいいかもしれない。
ちなみに「寝起き以前に寝付きが悪くて……」「不眠症っぽい」という人には、天井を回る光が眠りを誘う『ライトスリーパー』も評判。こうした睡眠サポートグッズで睡眠環境を整えることも、快適な目覚めにはよさそうだ。